日本人が「世界一、仕事が苦痛」と感じる根本理由 「会社、仕事が嫌いな会社員」が多い、深すぎる訳

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「仕事は苦行」。日本人にはこんな観念が根強い印象があります。4年前に、私は、「日本人は世界一、自分の会社を嫌っている」という記事を書きました。その中で、取り上げたのが、お笑い芸人の厚切りジェイソンさんのエピソードです。

「仕事と遊びを一緒にしちゃいけないよね」というツイッターユーザーの声に、ジェイソンさんは「なんで? 逆に仕事楽しまないと人生つまらないと思うけどな」「『楽しい=不真面目』と勘違いしている日本人多いな」と疑問を呈しました。

「『楽しく』なければ、仕事じゃない」ではなく、「『楽しくなく』なければ、仕事じゃない」そんな修行僧のメンタリティーが日本人にはあるのでしょうか。実際、こうした「忍苦に堪える日本の会社員」のイメージは国内外によく知られています。

「仕事満足度」が世界最低の日本

国際機関「世界経済フォーラム」の記事には、「日本人会社員の不幸度(を示す結果)は、国際的な職場調査のもはや定番のようなもの」と書かれています。確かに、あらゆる国際調査で「世界一不安で、不満で、不幸な日本人労働者」の実態が浮かび上がっています。

例えば、2019年12月に発表された、ワークライフバランスなどに関するランスタッド社の国際調査によると、日本人の「仕事満足度」は世界最低でした。

「満足している」の割合はトップのインドが89%に対し、日本人は42 %。アメリカ(78%)、中国(74%)、イギリス(74%)、ドイツ(71%)と比べても非常に低く、「不満足」という人の割合は21%と、インド(3%)、アメリカ(6%)などと比べても断トツに高い水準でした。

これだけ不幸ではあるものの、「仕事を変えたい」という意欲は低く、「仕事を変えようと探している」人の割合は5%。仕事満足度の高いインドが27%という高水準であったことを鑑みると、「満足しなければ、どんどんと仕事を変えていく」スタイルであるがゆえに、満足度が高いという結果に結びついていることがうかがえます。

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