日本人が「世界一、仕事が苦痛」と感じる根本理由 「会社、仕事が嫌いな会社員」が多い、深すぎる訳

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政府は「働き方改革」を掲げ、「長時間労働の是正」などを進めていますが、これらの改革が「生産性」や「やる気」を高めているというエビデンスはまだありません。逆に、「もっと働きたいのに、働けない」といった声も聞こえてきます

結局のところ、「長時間労働」だけが、日本人サラリーマン・ウーマンの不幸の源泉であったということではないようです。

そこで、改めて見直したいのが、「会社におけるコミュニケーション」です。世論調査などで知られるアメリカのギャラップ社いわく、「上司やチームリーダーが、社員のエンゲージメント(仕事へのやる気や熱意)のカギの7割を握る」のだそうです。

つまり、上司、マネジャー、リーダーが「どのように社員とコミュニケーションをとるか」によって、社員の幸福度はかなり影響を受けるということ。同社は全世界270万人への調査から、社員のエンゲージメントを高めるカギは「以下の12の質問に社員が『Yes』と言えるかどうかだ」と結論づけました。

【1】仕事で私が何を期待されているのかをわかっている。
【2】情報や資料、データ、機材など、私が自分の仕事をきちんとやるうえで必要なものがそろっている。
【3】仕事において、毎日、自分がベストを尽くせる環境が整っている。
【4】過去7日の間に、いい仕事ぶりを認められ、賞賛された。
【5】私の上司、または職場の誰かが私のことを気にかけてくれている。
【6】職場に、私の成長を応援してくれている人がいる。
【7】私の意見を大切にしてくれている職場である。
【8】私の会社のミッションやパーパス(目的)が、私の仕事は重要だと感じさせてくれる。
【9】私の同僚や周りの社員がいい仕事をしようとコミットしている。
【10】職場にベストフレンドがいる。
【11】過去6カ月間に、職場の誰かが、私の成長や進歩について声をかけてくれた。
【12】この1年で、職場で学び、成長する機会があった。

「労働時間」より「コミュニケーション」の改革が必要

いかがでしょうか。みなさんはいくつ当てはまりましたか? こう見ると、社員の「やる気」や「幸福度」の形成には、「職場のコミュニケーションがいかに大切か」がわかります。

単に「労働時間を減らす」といったことだけでは、仕事は楽しくなりません。もっと包括的に、日本の働き方を変えていく必要があるわけですが、まずは「職場のコミュニケーションの抜本改革」が求められていると言えるのです。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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