日系自動車メーカーが、遅ればせながら中国市場でのEV(電気自動車)シフトを加速し始めた。10月13日、ホンダは「中国電動化戦略」の発表会をオンラインで開催し、中国市場向けの5車種の新型EVを初公開した。
ホンダは同時に、2030年以降は中国市場へのガソリン車の新規投入を停止すると宣言した。グローバル市場では2040年以降に同様の対応を取るとしているが、中国ではそれを10年前倒しする。
日本の3大自動車メーカーの1社であるホンダは、かつては全面的なEVシフトに懐疑的な姿勢をとっていた。2019年11月、当時のホンダ社長の八郷隆弘氏は、「2030年まではHV(ハイブリッド車)中心の戦略を進める。EVが主流になるのは短期間では難しい」と語っていた。
しかしグローバルに見ると、すでに多数の大手自動車メーカーがEVシフトに邁進している。アメリカのゼネラル・モーターズ(GM)は2021年4月、2025年までに新型EVを30車種投入し、年間100万台を販売する計画を発表した。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は2021年7月、2030年のEVの販売比率を全体の50%に引き上げると宣言した。
5年間で10車種を発売、EV専用工場も建設
それらに比べて、ホンダの取り組みは後れを取ったと言わざるをえない。同社は2022年春から、EV専用の新ブランド「e:N(イーエヌ)」を中国で展開する。10月13日の発表会では、最初の市販モデルである「e:NS1」と「e:NP1」の2車種に加え、3車種のコンセプトカーを披露した。
e:NS1とe:NP1は、既存のガソリン車の小型SUV「繽智(ヴェゼル)」をベースに開発した兄弟車で、実質的には同じクルマだ。ホンダは中国に東風ホンダと広汽ホンダという2つの合弁会社があり、前者がe:NS1を、後者がe:NP1をそれぞれ製造販売する。3車種のコンセプトカーに関しては、ホンダが開発を進めて5年以内に市販する計画だ。
「今回披露した5車種を含め、これから5年間で10車種のEVを中国市場に投入する。そのために広汽ホンダと東風ホンダがEV専用の新工場を建設し、2024年から生産を始める」。ホンダの現社長の三部敏宏氏は、将来のスケジュールについてそう説明した。
(財新記者:黄栄)
※原文の配信は10月15日
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