ホンダが中国車載電池「CATL」と資本提携の狙い 電池の安定調達目的に増資の一部を引き受け

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ホンダはCATLとの資本提携を通じて車載電池の安定調達を図る。写真はCATLの電池工場(CATLのウェブサイトより)

中国の車載電池首位の寧德時代新能源科技(CATL)が、完成車メーカーの新たな株主を迎え入れた。同社は7月10日、日本のホンダとの戦略提携を発表。ホンダは中国の子会社を通じて、CATLが第三者割当増資を完了した後の発行済株式の1%を取得し、少なくとも5年間保有を続ける。

これに先立つ6月30日、CATLは第三者割当増資に関する当局の許可を取得した。2億2000万株を上限とする新株を発行し、最大197億元(約3014億円)の資金を調達する。新株の割当先は35組以内に設定された。CATLはこの資金を中国国内の3カ所の電池工場に投資し、それらの年間生産能力を52GWh(ギガワット時)増強する計画だ。

CATLは戦略投資家のリストをまだ公表しておらず、資本提携をアナウンスしたのは今回のホンダが初めて。CATLは2019年2月からホンダと業務提携しており、2027年までに56GWh相当の車載用リチウムイオン電池を供給すると発表していた。

VWやダイムラーも電池メーカーに資本参加

ホンダ以外の完成車メーカーで、CATLへの資本参加が有力視されているのがドイツのBMWだ。BMWと中国の華晨汽車の合弁会社である華晨BMWは2018年2月にCATLとの戦略提携に署名し、CATLが将来増資を行う際に最大28億5250万元(約436億円)相当の株式を取得する権利を得た。

本記事は「財新」の提供記事です

完成車メーカーが特定の電池メーカーに資本参加して関係を強化する動きは、電池業界全体に構造変化をもたらしている。これまでにドイツのフォルクスワーゲン(VW)が中国の車載電池3位の国軒高科動力能源と、ダイムラーが中堅電池メーカーの孚能科技とそれぞれ資本提携した。自動車産業に「電動化」の波が押し寄せるなか、完成車メーカーにとって資本提携を通じた電池の安定調達は今や生命線と言っても過言ではない。

今回のホンダとの資本提携で、CATLはあらかじめ定めた種類の電池を一定の優遇条件の下でホンダに供給することを約束した。同社によれば、ホンダはCATLとの提携の成果となる新エネルギー車を2022年にも中国市場に投入する計画だ。

(訳注:CATLは7月17日に第三者割当増資の結果を公表。新株は9社に割り当てられ、そのなかで完成車メーカーはホンダだけだった)

(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は7月10日

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