中国の車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は、現行製品の寿命を大幅に超える超長寿命電池を開発した。電気自動車(EV)に搭載する場合、16年間または走行距離200万キロメートルの寿命を実現したという。
CATL董事長(会長に相当)の曾毓群氏が6月8日、アメリカのブルームバーグ通信の取材を受けて明らかにした。アメリカのEV大手のテスラは、中国市場で販売する「Model S」および「Model X」の電池の保証期間を8年間または24万キロメートルとしている。CATLの超長寿命電池の走行距離はその8倍以上だ。
曾氏によれば、超長寿命電池の量産準備はすでに整っている。なおCATLは6月10日、財新記者の問い合わせに書面で回答し、超長寿命電池のコストアップは現行製品の10%を超えないとした。
最大手の座に安住せずライバルを突き放す
CATLの説明によれば、超長寿命電池は化学材料の配合と高度な生産技術の組み合わせにより実現した。その核心は電池の容量低下のコントロール、すなわち活性リチウムイオンの減少速度を抑えたことにある。正極、負極、電解液にそれぞれ異なる技術を取り入れ、劣化反応を抑制することで寿命を延ばした。
中国の車載電池市場では、2019年末にテスラが「Model 3」の現地生産を開始したのをきっかけに、同社に電池を供給する日本のパナソニックや韓国のLG化学の存在感が高まっている。中国メーカーではEV大手の比亜迪(BYD)が自社製の車載電池に弗迪(フーディ)のサブブランドを与え、外販の拡大に乗り出している。
CATLは車載電池の世界最大手の座を3年連続で守り、中国での市場シェアは50%を超える。しかし競合他社の追撃が激しさを増すなか、現状に安住せず超長寿命電池の投入でライバルを突き放す目論見だ。
(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は6月10日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら