中国の車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)が海外子会社の債券発行限度額を大幅に引き上げ、自動車業界の注目を集めている。
深圳証券取引所に上場する同社は4月13日、それまで8億ドル(約859億円)だった海外債券の限度額を30億ドル(約3220億円)に増やし、発行主体となる海外子会社に対して中国本社が債務保証を提供すると発表した。
仮に限度額いっぱいの債券を発行した場合、国内外の子会社に対するCATLの債務保証は総額316億4000万元(約4790億円)に達する可能性がある。これは同社の純資産の96%に相当し、状況次第では財務健全性への不安を招きかねない。
深圳証券取引所が合理性の説明求める
深圳証券取引所は4月15日、限度額引き上げの理由と合理性を説明するようCATLに要請。これに対して同社は、取引所への回答書を4月17日に開示した。それによれば、限度額引き上げは海外業務の拡大に対応するため。合理性については同社の借入先が中国国内の金融機関に集中しており、海外業務の十分なサポートが難しいためだと説明した。
CATLは初の海外工場をドイツに建設中で、その建設資金と操業開始後の運転資金の調達を急いでいる。同社の取締役会は2018年7月、欧州の新工場プロジェクトに2億4000万ユーロ(約279億円)を投じる計画を承認。その後、海外市場での顧客開拓と車載電池の需要増加に伴い、2019年6月に投資計画の上限額を18億ユーロ(約2095億円)に引き上げていた。
中国の車載電池市場でCATLは50%を超えるシェアを握り、主要な完成車メーカーのほとんどに製品を納入している。海外市場ではドイツのBMWとのサプライヤー契約を皮切りに、同じくドイツのダイムラー、フォルクスワーゲン、スウェーデンのボルボ、日本のホンダなどと協力関係を築いている。
(財新記者:鄭麗純)
※原文は4月18日配信
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