中国自動車大手「電池交換式EV」個人向け販売へ 北京汽車のEV子会社が電池の標準化も模索

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EVメーカーの北汽新能源は法人向けに展開していた電池交換式EVの個人向け販売に乗り出す(写真は北汽新能源のウェブサイトより)

中国自動車大手の北京汽車集団傘下の電気自動車(EV)メーカー、北京新能源汽車(訳注:漢字の略称は北汽新能源)は6月5日、法人向けに展開していた電池交換式EVの販売を個人向けにも広げることを明らかにした。

EVの充電は急速充電機能付きの充電スタンドで行うのが主流だが、中国のEVオーナーで個人専用の充電設備を持つ人は半数に満たない。集合住宅がほとんどの都市部ではスペースが足りないためで、EV普及のボトルネックになっていた。電池交換式の投入でEVオーナーの不便を解消するのが北汽新能源の狙いだ。

充電スタンド式と電池交換式にはそれぞれ長所と短所がある。充電スタンド式はシステムがシンプルでコストが安いのが強みだが、充電の待ち時間が比較的長い。個人専用の充電設備がない場合は公共の充電ステーションを利用しなければならず、手間と時間がさらにかかってしまう。

中国19都市に187カ所の電池交換ステーション

その点、電池交換式は空に近くなった電池をあらかじめ満充電された電池に「交換ステーション」で載せ替えるため、短い待ち時間で走行を再開できるのがメリットだ。しかし車両の構造が複雑になることや、EVメーカーによって搭載する電池の規格が異なること、多数の交換ステーションを整備するための投資額が大きいことなどの問題点を抱えている。

本記事は「財新」の提供記事です

北汽新能源の技術部門トップを務める李玉軍氏は、これらの問題点を認めたうえで、同社がEV業界の競合他社に交換用電池の規格標準化を呼びかけていると明かした。また、同社のスポークスパーソンを務める連慶鋒氏は、法人向け販売を通じて進めてきた交換ステーションの整備が一定の規模に達し「個人向け販売を始める条件が整った」と説明した。

同社によれば、北汽新能源はすでに全国19都市に187カ所の電池交換ステーションを整備済み。なかでも本拠地の北京市では、市街地は半径2.5キロメートル以内に1カ所、郊外では半径5キロメートル以内に1カ所を確保し、基本的な需要をまかなえるとしている。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は6月5日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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