この練習会には、元千葉ロッテマリーンズでクローザーとして活躍した荻野忠寛氏も参加した。荻野氏も「知的障害者を教えたのは初めてだけど、こんなにできる子がいるんだ」と驚いたという。
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2回目の練習会は4月29日にオンラインで行われ、6月26日には再び新木場の室内練習場で行われた。
「指導は荻野さんが中心にやりましたが、強制的にやらせる練習ではなく、みんなでやれる練習を考えて、もちろん硬球を使ってやりました」
甲子園出場への道を作る
練習会を通じて久保田氏の「甲子園夢プロジェクト」への思いは確信に変わった。プロジェクトをさらに加速的に普及させていかなければならないと思うようになった。
「これだけできる子たちがいるのなら、この活動を全国に広げて、各地の特別支援学校を、都道府県単位の高野連に加盟申請すればいい。その資格はあるわけですから。そこから出場の道を作るところまで持っていきたい。まだスタートして半年くらいですが、こういう子たちがいるよ、ということをみんな理解してわかってほしい」
その思いから久保田氏は『甲子園夢プロジェクトの原点』という本を書いた。
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久保田氏は基本的に非常に明るい先生だ。もちろん教育者として真摯な姿勢は持っているが、ずいぶんさばけた、人間臭いところが魅力だ。
この本では、ここまでの久保田氏の教員生活、そして「甲子園夢プロジェクト」に至る経緯を、まるで「青春ドラマ」のようなタッチで紹介している。
「健常者だって、障害者だって野球やソフトボールに対する思いとか、いろんな悩みなどはみんな一緒なんだということがわかってもらえると思う」
10月2日、千葉県柏市で第4回の練習会が行われた。この地の少年硬式野球チームの好意で球場を貸してもらったのだ。初めての屋外での練習会に全国から9人が参加した。後半はシートノック形式で行われ、参加者がバットで硬球を打ち、グラブをつけて守った。荻野氏が下から投げるボールを打っていく。
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