6歳を炎天下で走らせる、少年スポーツの実情 協会から通達が出ても、現場の大人たちは…
総務省消防庁によると、7月16~22日の1週間に熱中症で救急搬送された人数と死者数が集計を始めた2008年以降で最多となった。搬送者数の速報値は全国で2万2647人で、うち65人が死亡した。
およそ4割が屋内からの搬送だというが、炎天下でスポーツをする子どもたちは大丈夫なのか。
クーラーボックスさえ持ってこないチーム
気象庁予報部が発表した関東甲信地方の7月31日から8月6日までの週間天気予報によると、向こう1週間は最高気温、最低気温ともに、平年よりかなり高くなるところもあるという。先週は台風上陸の影響で一時的に気温が下がったものの、再び熱中症の危険に向き合う日々が始まる。
「重大事故が起きやしないかと、気が気じゃない」
そう心配するのは、首都圏で少年サッカーのクラブで指導をしている30代の男性だ。台風がくる前の週末に大会参加したが、目も当てられない光景に遭遇した。
最高気温38度を記録したその日。小学1年生の大会で、スポーツドリンクや塩分タブレットの補給をさせないチームがあった。氷で首や体を冷やす様子もない。聞けば、氷や水を保管するクーラーボックスをチームで持参していないという。気温が38度なら人工芝のピッチの上は40度を軽く超えており、6歳児の体には文字どおり過酷すぎる環境だ。
「試合の合間はテントの日陰で過ごさせてはいたが、試合中、ハーフタイムはそのまま子どもは日なたに立たせたまま、ベンチでコーチが話をしていた。相手のチームはテントに戻らせているのに」と男性は憤りを隠せない。
「日なたで耐えるほうがすごいのだ」というような昔ながらの根性論に見えたという。
同じ日に行われた6年生の大会。男性の教え子が対戦した少年団も同様の「未装備」で、クーラーボックスなし、試合合間の患部冷却ナシ。よって後半に入ると、そのチームの選手はフラフラになり走れなくなった。見るからに熱中症の症状を見せていたが、ベンチに座ったコーチは逆にその子をしかり始めた。
「やれないのか!」
怒られた子どもはシクシクと泣き始めた。交替させられたその子のところに飛んで行って氷で体を冷やし始めたのは、なんと対戦相手である男性のクラブのコーチたちだった。
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