「国語が苦手な子ども」が音読で激変する納得理由 音読することで設問を「見る」から「読む」に
これまで数多くの中学受験生を指導してきて、「合格していくのは、国語の成績がいい子が圧倒的に多い」という傾向に気がつきました。国語は「日本語の文章を理解する」科目です。ほかの科目の問題も日本語で書かれているので、国語力を身につけることが全体の成績アップにもつながり、合格率が大きく変わってくるのです。
国語を得意にするうえで最も重要なこととは何でしょうか? それは、最後まで文章を読みきることです。国語の読解問題では、文章の内容を正しく読み取り、設問に正しく答えることが求められるからです。しかしすべての受験生が読解問題を解くときに、ちゃんと最後まで文章を読んでいるでしょうか?
実際、私がこれまで会ってきたお子さんのうち、国語が苦手な子の約半数以上は、文章を最後まで読まずに設問に答えていました。そういう子たちがどうやって答えを出しているかというと、傍線部分の付近だけを探して答えらしきものがあればそれを選び、そこで見つからなければ「なんとなく」で答えを選んでいるのです。
こういった方法で解いていては、どれだけ問題の数をこなしたとしても、力がつかないのは明らかです。
1日10分、1文章の音読で変わる
では、どうすれば最後まで文章を読みきる力を身につけることができるでしょうか。数多くの文章を読んで文章に慣れること。これに尽きます。学校の教科書をはじめ、課題図書、市販のテキストや問題集、過去問などの本文(問題文)を、できる限りたくさん読むという方法です。
設問を解く必要はなく、問題文を音読するだけ。目安としては、「1日1文章」です。設問を解かずに読むだけであれば1文章につき10分程度でしょう。これを1カ月ほど続けるだけで、お子さんの「文章を読む力」は格段にアップします。
問題を解くのは、文章を読む力がついてからでも遅くはありません。むしろ「文章を読みきれないのに設問を解いても意味はない」のです。まずは「1日1文章を音読」から始めてみてください。
読解問題を得意にするためには、最後まで集中を切らすことなく、問題文を正しく読む力が重要です。そしてその力を身につけるためには、文章に慣れること。そのためには、さまざまな長さやいろいろな種類の文章に触れる必要があります。
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