いい人すぎる「岸田"絹ごし豆腐"総理」に待つ苦難 「発信力」「コミュ力」は菅前総理より上なのか?

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「究極の地味さ」があだとなってしまった菅前首相の後釜ということですから、「発信力」という点では、誰がやっても「マシ」に見えるはずなのですが、残念だったのは、総裁選の過程で、河野太郎氏と高市早苗氏という「強烈キャラ2人の挟み撃ち」に遭ってしまったこと。

「肉汁たっぷりのステーキ」か、もしくは、「ニンニク臭を漂わせ、ジュウジュウ焼けるカルビ肉」かのように五感を刺激する2人に比べると、あまり心はときめきません。

総裁選の演説でも、「原稿を見ずに滔々(とうとう)と大きな手振り身振りで演説する河野氏」「よどみなく畳みかける高市氏」と比べ、下を見て原稿を読み上げるシーンが目立っていました

岸田氏が背負う6つの「いい人ゆえのカルマ」

各所から聞こえてくるのは、岸田氏は「いい人」らしいということ。その「コミュ力」も「いい人ゆえのカルマ(宿命)」を背負ってしまっているように感じます。

①いい人だから、「扇動しない」

人を動かそうとするのであれば、聞き手の感情を刺激する「コミュニケーション」が必要です。

「ワクワクする」「面白い」「ゾクゾクする」「許せない」「怖い」……そんな感情が人を突き動かすわけですが、岸田氏の話を聞いても、「感情の針」はほとんど動きません

トランプ前大統領は恐怖心や怒りを過度にあおる「ポピュリスト的」な手法で、人を扇動しました。そういったやり方が分断を招いたと批判されるわけで、岸田氏もそれを「アンチ手本」としているようなところがあります。

ただ、だからといって、ロジカルに正論を述べたところで、人の心は動かせない。時にその「お行儀よさ」をかなぐり捨てて、国民の感情に訴え、行動や決断を迫る「覇気」や「鬼気」が求められる場面も出てくるでしょう。

②いい人だから、「敵を作らない」

仮想敵を作ってたたくことにより、支持者の「グループアイデンティティー(集団同一性)」を刺激し、「帰属意識」や「結束力」を容易に高める。これはトランプ前大統領もよく使った手法で、安倍元首相も、特定の政党やメディアを徹底的にたたくレトリックを多用していました。

岸田氏は、以前から「敵を作るような手法は使わない」と明言しており、菅氏と同様に、「過度にイデオロギーを振りかざさない」。そういった意味で「物足りなさ」を覚える人たちはいるはずです。

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