「廃棄野菜のクレヨン」で一発逆転シングルマザー 2000円する商品が「15万セット販売」の大ヒット

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15万セットが売れた大ヒット商品、廃棄野菜を活用した「おやさいクレヨン」はどのように生まれたのでしょうか(筆者撮影)
動物専門の義肢装具や世界の名だたるトランぺッターを魅了するマウスピースなど、ほかに誰も似たようなものを作っている人がいない、唯一無二のモノづくりをしている10人の物語が収録された『ウルトラニッチ 小さな発見から始まるモノづくりのヒント』。この書籍から、これまでに15万セットが売れた大ヒット商品、廃棄野菜を活用した「おやさいクレヨン」を生み出した青森のシングルマザー、木村尚子さんの原稿を一部抜粋・再構成してお届けする。

イモムシを引き寄せた「おやさいクレヨン」

これまでに15万セット売れたおやさいクレヨン(筆者撮影)

木村尚子さんが青森市内の畑でクレヨンの撮影をしていた、ある日のこと。ふと気がつくと、外に置いていた濃い緑色のクレヨンに、イモムシがついていた。よく見ると、そのイモムシはもぐもぐと口を動かしているようだった。そのクレヨンには、「きゃべつ」というラベルが巻かれていた。

イモムシを引き寄せたのは、「おやさいクレヨン」。ほかに、リンゴ、紫芋、雪ニンジン、ごぼうなど計10種類が1セットになっている。その名の通り、どれも国産の野菜や果物で色付けされている。使われているのは、規格外で廃棄されるものや、加工時にカットされて使われない部分。原料はほかに、ライスワックス(米ぬかの油から採れるロウ)と、野菜の色を補うために食品用の顔料が少し。子どもが誤って口に入れてしまっても安全なように作られた、色も素材も優しいクレヨンだ。

2014年に発売されたおやさいクレヨンは、これまでにおよそ15万セットが売れた。毎年、2万セット以上売れている計算だ。一般的なクレヨンはだいたい12色から16色で500円前後が相場のところ、このクレヨンは2000円。約4倍の値段がするクレヨンが、長く支持されている。その人気は国内にとどまらず、中国、台湾、韓国、シンガポール、タイなどでも販売されてきた。

「私の経験が誰かの勇気になれば」と語る木村さん(筆者撮影)

このヒット商品を生み出したのが、冒頭に記した木村尚子さん。青森発のベンチャー、「mizuiro」の創業者だ。もともとクレヨンどころかモノづくりの知識も経験もなく、野菜に詳しくもなかった彼女が、なぜおやさいクレヨンを作ろうと思い立ったのか。背景には、知られざる壮絶な人生があった。

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