「廃棄野菜のクレヨン」で一発逆転シングルマザー 2000円する商品が「15万セット販売」の大ヒット

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娘が生まれたとき、自分の子ども時代のように寂しい思いはさせたくないと思っていたのに、気づけば娘との距離は開く一方。この状況に罪悪感が募った木村さんは、思い切った行動に出る。特に仕事のあてもないまま、独立してフリーランスのデザイナーになったのだ。32歳、シングルマザーの大きな決断だった。

娘とふたり、なんとしても生きていく。腹をくくった木村さんは、たまたま独立してすぐの時期に開催されていた食の見本市に向かった。自分のポートフォリオを持参し、出展している企業やメーカーを訪ねて、「チラシを作りませんか?」「販促物のデザインができます」などと営業をしたのだ。この地道な活動が功を奏し、ポツポツと依頼が来た。

木村さんは「信頼を得られたら、次につながる」と考えて、チラシ1枚のデザインも真剣に取り組んだ。すると、チラシを依頼してくれた企業が、「デザインが良かったから」と、パッケージのデザインを頼んでくれたりして、少しずつ仕事が広がり、独立から間もなくして会社員時代の収入を超えるようになった。

「仕事がまわるようになったのは、奇跡的でした。初めて自分の自由な時間もとれるようになったし、独立していいことしかなかったです」

木村さんは自宅で仕事をしていたので、それまでに失ったふたりの時間を取り戻すかのように、娘との生活を大切にした。娘が放課後児童会から帰宅するのを家で待ち、仕事が残っていたら、娘が寝た後に終わらせた。

「天然の色でオリジナルの文房具を作ろう」

心に余裕ができると、視界が広がり、やりたいことが見えてくる。独立して2年目のある日、全国の藍染作家が集まる作品展に足を運んだ。そこで、普段パソコン上で見ている人工的な色とは異なる、自然から生まれた藍色の美しさに引きつけられた。そのときに、ふと思った。

「藍色のインクがあったらいいなあ。ほかにも自然由来の色のインクが揃っていたら素敵だな」

その頃、木村さんは自分でネットショップを開き、もともと絵を描く道具として愛着があった文房具を売り始めていたこともあって、「天然の色でオリジナルの文房具を作って、自分のショップで売ろう!」と思い立った。

藍色のほかに、なに色ができるだろう? 自宅で料理をしていて、ほうれん草を茹でたときに出る薄い緑色の煮汁を見て、「これで絵が描けそう!」とひらめいた。同じように発想を広げると、色が濃い野菜やフルーツも使えそうだ。すぐにほうれん草の煮汁やフルーツジュースを瓶に移して筆を浸し、実際に絵を描いてみた。

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