有能でも「50歳を過ぎたら」転職できない納得事情 「求人はありません」と断れぬ人材紹介業の都合

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潮目が変わったのは1997年。ILO(国際労働機関)の有料職業紹介所に関する条約を改正、民間事業所条約を採択した。この流れから1999年には人材紹介会社の規制緩和がはじまって、限定されていた人材紹介業の幅が一気に広がり、営業や販売職や一般職を含めて「原則自由化」されたのだ。

こうして我々のような人材紹介会社が大量に生まれた。もちろん転職者が最初にアプローチするのは、圧倒的に求人情報サイトが多いだろう。ちなみに求人サイトは我々のような厚生労働省から認可を受ける必要がない。人材を紹介するのではなく、人材を求めている企業の広告を掲載する「メディア」であるからだ。それは求人サイトが、求人情報誌や求人フリーペーパーをルーツとしていることを考えるとわかるだろう。そのため求人サイトは多くの人材紹介会社と契約をしている。自社で人材紹介会社を運営している求人サイトも増えてきた。

いずれにしても求人サイトに登録された情報は、一斉にそれらの人材紹介会社に伝わる仕組みだ。求人サイトは人材紹介はできないが「人材紹介会社への紹介」はできるからだ。

ちなみにその人材紹介会社のクライアントは、求人サイトと同じく企業である。1人紹介して採用となったら、企業から採用者の想定年収の10〜40%を受け取る成功報酬型が一般的だ。

人材紹介会社の「お客さん」は誰か?

一方、転職希望者は人材紹介会社に一銭たりとも支払わなくてよい。

労働基準法第6条、職業安定法第32条の3第2項で「人材紹介会社は求職者から手数料を受け取ること」が禁止されているからだ。ちなみに求人サイトも転職希望者は無料で登録でき、転職できても手数料などを支払う必要はない。

理由は、先にも触れた人材紹介業のルーツにある。貧困に苦しむ親が子どもを売ったり、借金漬けにして強制労働をさせたりといった、かつての人身売買のようなことが起こらないような設計がなされているのだ。

正しいと思う。しかし、このことが転職希望者の多くには広まっていないことが問題なのだ。自分たちこそが、人材紹介会社のクライアントだと勘違いさせてしまっている。違う。人材紹介会社はあくまで企業に頼まれて人材を探しているのだ。また、こうした法律に則って、人材紹介会社は求職について具体的な介入をしてはならないとも決まっている。代理行為の禁止だ。

「ここにこんな求人があります」「年俸は500万円です」「募集している職種はこんなものです」といったファクトは伝えられる。しかし「あなたならこの会社がふさわしい」「もっとこうしたらこの会社に入れますよ」とより具体的なカウンセリングは“建前では”してはならないことになっている。

思い出してほしい。それでいて、人材紹介会社は「求人希望者を断ってはならない」と定められているのだ。どう考えても矛盾している。

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人材紹介会社としては、直接、門を叩いてくれた転職希望者が50代以上であれば、最も大切なファクトを伝えたい。

「そもそもの求人はほとんどないこと」「年齢データだけ見てふるい落とされること」

しかし、こうした厳しい現実は、直接1人ひとりに伝えることが許されないのだ。

だからこそ、私たちは仕事人生の後半戦のキャリアを、自分で、自律的につくり上げていく必要がある。会社も国も、人材紹介会社のキャリアコンサルタントも、本当にあなたのことを考えて味方になってくれるわけではないのだから。

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