小4で娘が不登校になった親が知った衝撃の事態 不調の理由に気づくまでなんと9年かかった

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Tさんが今もずっとつけている娘さんの記録。食べたものや活動や体調や発言や睡眠状態をこまめに記録してある。主治医や先生への報告用にも使用している(写真提供:Tさん)

不登校の原因を探るのが大変なのは、原因が大抵は1つじゃないからです。このご家庭の場合も、主な原因は「睡眠障害による起立性調節障害」でしたが、それに加え、本人の性格や環境なども複雑に絡み合っていました。

なので、不登校児の親は、その原因を探るのにまず苦労し、次にそれにどう対処していくかに悩みます。子どもによっては、学校に戻すのがベストとは限らず、学校の種類を変えるなど、新たな道を探すほうがいいこともあります。とにかく悩みが尽きないのが不登校、ということを今回の取材で実感しました。

育児には頑張っても解決しないこともたくさんある

ちなみに、子どもの睡眠問題に関してはこの連載では何度も取り上げてます(この記事など)。でも、私が記事で「子どもの睡眠問題には睡眠メソッドが有効」であることを紹介しつつ「でもすべての子どもに効くわけではないし、万能な方法はない」と必ず書くようにしていたのは、この家族の例を知っていたのが大きな理由でした。

育児は、どんなに親が頑張っても、どんなに子どもが頑張っても、解決しないことがたくさんあります。そして不登校は、単に子どもの精神的な甘えやわがままではなく、医学的な原因があることも多々あるのです。実際、「起立性調節障害」「発達障害」などは不登校児に多い症例として知られています。不登校問題で親の責任を問う人もいますが、親だけの力ではどうしようもないことも多いのです。

というわけで、今回のつかれないヒントは……

子どもが学校に行かなくてつかれた

原因は思いもしないところにあるかもしれない。
医学的な目線からも原因を探してみよう。

でも、何度も書きますが、その理由を探るのは本当に大変です。さらに適した対処方法を見つけるのはもっと大変です。母親1人ですべてをカバーするのはかなりハードなことなのです。

というわけで、次回は実際にこのご家庭が不登校問題に対処していて親にどんな負担がかかったか、どうやってそれを乗り越えていったかと紹介します。

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ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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