教えて!わくわくさん「仕事の夢中」の見つけ方 30年以上工作に没頭、久保田雅人さんに聞いた

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大人になると、なぜか夢中になれる人って減るんだよね。最初はどんな人も希望を持ってその世界に入るんだけど、現実の厳しさを知ると心が折れちまうんだ。思っていたよりも活躍できなかったり、周囲から向いてないって言われたりするのがきっかけでね。

自分が所属していた劇団では、役者を目指していたけれどもドロップアウトしてしまう人を山ほど見てきた。実際に板を踏んで稽古をすると、実力のなさに気づくんだな。理想と現実のギャップを突きつけられるうちに、最初はあんなに大きかった夢があっという間に小さくなってしまう。

「真剣に夢中」になる

そんな状況でも現実に負けないためには、やっぱり夢中にならなくちゃいけない。それは「バカになる」ということでもある。夢中って「夢の中」と書きますよね? 先が見えない状況でも、自分の夢の中に居続けるバカみたいな状態を「夢中」と呼ぶんだ。

厳しい現実の中で生き残っていくには、真剣に夢中になる必要がある。そのことを自分は、劇団に入って初めて知ったんだ。

今の仕事に夢中になれない人の中には、周りの優秀な人に対して劣等感を感じている人も多いんじゃないかと思う。私自身は、役者時代は劣等感ばかり抱えてたな。

アニメ声優としてのデビューが決まったとき、私は山寺宏一さんと同じ作品に出演したんだ。そのとき私は主役だった。ところが3カ月後には上下が逆転……。笑っちゃうよね。実力の差を見せつけられたよ。

(写真:『エンジニアtype』)

それでも、親の反対を押し切ってこの世界に入ったもんだから、簡単には後に引けない。エキストラの仕事で食いつなぎながら、5年ぐらいはもがいたな。劣等感は抱えつつも、失敗を失敗と認めて次に生かそうと必死だった。

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