教えて!わくわくさん「仕事の夢中」の見つけ方 30年以上工作に没頭、久保田雅人さんに聞いた

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で、ある日偶然、久保田雅人はわくわくさんになるんです。

同じ劇団に所属していた声優の田中真弓さんが、NHKのディレクターさんに「新しい工作番組の出演者を探しているんだけど、いい人はいない?」と聞かれたときに、自分を紹介してくれたんだ。「ものづくりが得意で、しゃべらせると面白いから」って。もともと私は工作が好きで、劇団で使う大道具やら小道具やらを全部作っていたんですよ。

それでオーディションを受けたら、受かってしまった。わくわくさんというのは番組における1つの役ですから、これはテレビ番組の主役の仕事をいただいたも同然。ぜひやらせてくださいと言いました。

ところが後で聞くと、そのオーディションに参加したのはどうやら私1人だけだったみたいなんです。「何人も見るのは面倒だったから」と、ディレクターさんは言っていました(笑)

それを聞いて、本当にありがたいなと思いましたね。このディレクターさんに出会えたのは完全に運ですよ。運が巡り合わせてくれた人の期待に応えたい。そういう思いを持ち続けていたことも、後でわくわくさんに夢中になれた理由の1つだと思うんだよね。

自分が納得できるまでに10年

張り切ってわくわくさんになったものの、最初はひどいもんでしたよ。いったいどうすれば子どもたちに工作の楽しさが伝わるのか、まったくわからなかった。番組が始まってすぐ、「久保田は下手だから降ろそう」っていう話がNHKの上の方から本当に出たんだから。

そのときはディレクターさんが、「新人なので長い目で見てやってください」と言ってくれたおかげで続けられたんだけど、工作を指導してくれる造形作家のヒダオサム先生はめちゃめちゃ怖かったし(今はすごく優しいです)、カメラマンさんにもしょっちゅう怒られてた。まぁ、はっきり言ってボロッカスだったな(笑)

(写真:『エンジニアtype』)
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