「普通ゾーン」にいる子どもの学力を伸ばすには?
学力を引き上げる方法はいくつもあります。例えば、比較的伸びそうな科目をさらに伸ばす(長所伸展法)、効率的な勉強方法を教えること、基礎部分でできる感覚をつけて自己効力感を上げていく方法などたくさんあります。実際、これらの方法によって伸びる子は少なくありません。
しかし、大谷さんのお子さんはこれらの方法の前に、必要なことがありそうです。というのも、お子さんが「普通ゾーン」に長くいながら、表面的なテクニックで成績を上げるのは容易ではないと思うからです。
筆者がこれまで4000人以上指導してきた経験からも、いわゆる「普通ゾーン」の子の成績を上げていくには、かなりのエネルギーを要しました。
なぜなら、「普通」というゾーンの幅は思いのほか広く、また平均レベルというのは居心地がよく、危機感もなく、上昇志向も生まれにくいゾーンだからです。これをコンフォートゾーン(快適層)と呼びます。
心理学ではストレスや不安がなく、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所と言われています。このゾーンに一定期間いると、なかなか抜け出ることは容易ではありません。「ぬるま湯につかっている状態」がラクなのは大人でも想像できるのではないでしょうか。
では、どうすれば普通の状態から、「一段上」の状態になることができるでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら