自分の時間を持ったからといって、直ぐに心の余裕が生まれるわけではありません。でも子育ては待ったなしですから、ゲームの開始だと自分自身に言い聞かせ、まず子供たちに謝りましょう。「忙しいことが続いたためにママが間違っていた、ごめんなさい」。特に武雄くんには安心させることが先決です。
同時に、時間使いの達人になりましょう。“頼みごとは忙しい人に頼め”というほど、忙しい人は時間配分が上手く、仕事をこなす速度が速いです。家事に何時間かけていますか?
土・日の決まった時間に大量に料理をまとめ作りしたり、前日の夕食の後片付け時に翌日の食事の下準備をしたりして、前もって準備できていることが心の余裕につながります。
常備菜の作り置きや缶詰のお魚を利用するなど工夫し、基本的にはママの手作りで食卓を整えましょう。子供たちの胃袋をしっかりつかまえれば、あとはこっちのものです。
食後の30分か1時間は子供と過す時間にあてましょう。皿洗いや洗濯はそのあとです(着替えを多めに用意して、洗濯日に追われないようにするのも一つの方法です)。
子供は貴女の敵でも子分でもありません。どうせすぐに親離れしていく子供たちと、今、良い依存関係を築かないと、軌道修正することの方がとても大変になります。
先のはなちゃんのママの千恵さんは、はなちゃんが味噌汁を朝一番に作ることで、質のよい生活習慣や生活のリズムをつかむことをも、期待したのではないかと私は想像します。困難な仕事や家事も、それが習慣や毎日のリズムになれば、格段に気楽にこなせるようになることは、きよ子様も経験しておられるでしょう?
親の言葉が子に届くあいだに
家族構成が似すぎて信じていただけるか心配ですが、昨年私の姉が新車のバイクを盗まれました。妹たちの面倒をよく見ていた姉の近所の中学一年生のサチオくん(仮名)が犯人でした。
サチオくんは中学生になるのを待っていたかのように妹の世話を辞め、制服を着崩し、タバコを覚え、その年の夏休みにはバイクを仲間と「軽い気持ちで」(警察からの知らせ)盗み、当然ですが無免許運転で乗用車とぶつかる事故を起こしたのです。
この事件で一番の話題はバイクの盗難でも自動車事故でもありませんでした。近所の人への挨拶を欠かさず、親の手伝いをよくし、妹たちの面倒をよくみていた素直なサチオくんの、短い期間による不良の真似事かその変身ぶりでした。
武雄くんが中学生になれば、反抗したり親と顔を合わせないようにすることが簡単になります。もし彼に親が注意するようなことが発生しても、今の親子関係が続く限り、母親としての貴女の言葉は武雄くんには届きません。
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