きよ子様、最初の育児が始まってから10年が経ちました。今までが一番大変だったのです。正社員としての責任を果しながら、小学生、保育園児、おむつの取れない子の世話がずっと続きました。あと2~3年頑張れば保育園の送り迎えが無くなりますし、子供たちの世話も減り、逆に子供さんたちの家事分担度が高くなります。大きな山は越えたのも同然です。
そしてこれから10年も経てば、子供たちの方が多くのものごとの理解・判断・選択・決定で正確に早くできるようになり、貴女が子供たちから教えられたり助けられたりする存在になることも念頭におきましょう。
心の栄養をとりましょう
今日をタイムリミットとして、親子関係を正常に戻す作戦開始です。まず貴女自身が心の余裕を取り戻す時間を作るのはどうでしょう。
いつもより1時間前に起きるか、子供たちの世話が終わった1時間を、自分だけのために使う習慣を作るのです。貴女を元気にしてくれたり癒してくれる音楽やビデオ鑑賞、読書でも何でもいいと思います。
「はなちゃんの味噌汁」は読まれましたか? 33歳で寿命が尽きる母親千恵さんが、その前に4歳の娘に味噌汁の作り方を教えます。「いつ自分がいなくなっても、娘が強くたくましく生きていけるように」と。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」はどうですか? ナチスに連行される父親は子供だけは守ろうと、そして子供に恐怖を抱かせないようにと、「これは(父が連行されることは)ゲームだ」「だから君は(息子は)隠れていなければゲームに勝てない」と教えます。
ゴミ箱か何かに入れられて隠れて、父親の連行される様子をゲームだと信じてのぞき見ている息子に父親は、ゲームに出かける前の楽しくて仕様がない人間のように振る舞い(死を目前に!)、元気いっぱいに連行されて行きます(角を曲がった所で銃声がなる)。
自分が原因不明の病気にかかるまで今の健康に感謝できないなら、または自分が選ぶことのできなかった出自が原因で生が絶たれる環境になるまで、今の自分がいかに恵まれた環境で暮らしているかに気づかないなら、私たちは学ぶことの知らない、とても愚かな人間だということになります。
この映画で私は、死の恐怖を前にしてでも、子供を守るためには笑って元気に振舞うという(しかもナチには気づかれないように)、子を思う親心の底なしの大きさを学びました。少々の苦労は苦労でなくなります。
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