「ワタミの人手不足は解消に向かっている」 桑原社長が語る、ワタミの進むべき道(後編)
――現段階で25人は少ないのでは?
まだ打ち出したばかり。25人のうち、半分は外部から。これは継続的にやっていくので、今の段階での25人は狙っている水準にあると思っている。ワタミの外食でいえば、月間で10人前後の中途入社を受け入れている。これも今年に入って、少しよくなっている。
一方で、従来は職人の採用は基本的になかった。今回は専門性の高い業態(の拡大)を打ち出しているので、職人もいいじゃないかと枠を広げている。
ただし、職人は腕を持っているけど、人に教えることができない、企業文化になじまない。ウチはそれではダメ。 和民の経営理念に共感して、人に教えて、技術がある。職人という言葉が邪魔しているかもしれないけど、理念に共感して人に教えられるなら、仲間になってほしいと採用の枠に広げていく。
社員の労働環境を守る
――1店当たり2.5人の社員を配置することを目指している。
今のペースでアルバイト採用ができれば、2.5人で十分だと思う。ワタミは営業時間を見ると短い。居酒屋は夕方5時に始まる。でも12時間しか働かない。ファミレスやファストフードは24時間やっている。2.5人は少ない水準ではないと思う。
来年3月で2.2人、9月末で2.5人ぐらいの目標にしていきたい。今年入った新卒は誰も辞めていないし、みんな元気に頑張ってくれている。10月以降、戦力になってくる。そうなれば、60店を閉めると2.06人になる。
――有識者で構成する第三者委員会から労働環境の改善について提言があった。
外部の有識者の方に集まってもらって、ワタミを客観的に見てもらった。彼らが社員にヒアリングしたりアンケート調査した結果によると、過去には長時間労働が発生していたという。現在も有給休暇が取りづらい状況が残っている。
提言として受けたのは、コンプライアンス委員会、業務改革委員会を立ち上げるというもの。今後は組織を作って改善していく。メンタルヘルスサポートも組んでいこうと考えている。メンタルヘルスについての知識を管理職にレクチャーしている。カウンセリングの時に気をつける点を教える。社員にとっては外部に相談できる体制ができた。