「ワタミの人手不足は解消に向かっている」 桑原社長が語る、ワタミの進むべき道(後編)

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――適正と考える水準は?

店の規模によって違うが、平均で1店舗当たり30人。600店強あるので、1万8000人ぐらいだ。

――採用のペースが従来より1カ月遅れた原因は?

これだけの求人が出てくると、皆さん選択肢が広がる。選ぶ中で時間をかけられたのかなと思う。もう1つは、当社は急激な時給のアップをやってこなかった。逼迫感から4月の段階で全国的に時給の見直しをかけたが、そんなことも効いているのではないか。

時給はそろそろ頭打ち

――どれくらいの水準まで上げたのか。

厳しいエリアでは時給を最大100円上げた。平均すると、全国で去年の4月から今年の4月にかけて約20円上がっている。これは人件費比率にすると1.5ポイントぐらいの上昇だ。4月以降にもう一段上げているので、1年強で40円ぐらいのアップになっている。

――過去の事例と比べて、どうか。

われわれの場合、元々の初任時給は決して低くないと思っている。出店しているエリアが駅の繁華街に近く、時給相場が高い。なおかつ、業種としても比較的高い。深夜営業などもある。だから、20円強上がるというのは、私の経験ではバブルのときを上回るぐらいの上げ幅ではないか。

ただ、そろそろ頭打ちだと思う。これ以上、上げたからといって採用が好転するとは思えない。

――業種間の取り合いについては?

従来、われわれは駅のそば、なおかつ飲食業というテーブルサービスをやっている。たとえばコンビニなんかとアルバイトで競合するかというかと、もちろん同じ学生と採ろうと競合しても、立地が違う、時給単価にも差がある。駅前の繁華街では元々、われわれのような業種が高かった。

だが、最近は出店が年間で6000~1万店あるということもあって、コンビニの時給もわれわれと同水準まで上がってきている。アルバイトとの確保については、飲食店だけでなく小売りともバッティングしていると思う。

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