「ワタミの人手不足は解消に向かっている」 桑原社長が語る、ワタミの進むべき道(後編)

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――作業の負担が違うような感じもする。

これは何とも言えない。小売りの現場で立ちっぱなしでいることは大変だと思う。われわれは歩く。

居酒屋のアルバイトは1カ月のような短期でやるものではないと思っている。ある程度の期間をやっていただくのだとすれば、その仕事がご本人にとって楽しいことであり、将来その方が社会人になっていく中でメリットがあるようなアルバイトの見つけ方をしてほしい。

飲食業が好きな人に来てほしいし、接客や料理を作ることに楽しさを感じていただけるかどうかだと思う。それが嫌なら、もっと楽な仕事はいくらでもある。しかし、もし僕だったら、じっと立っていて時給1000円だと言われても、この仕事(飲食業)を選ぶ。どっちも労働としては大変だ。ただ、それを選ぶということは好きか嫌いかだ。

エリア正社員化は外部へのメッセージ

――今後、時給のアップ競争にはならないか。

時給(の上昇)については3~5月で一巡かなと思う。今回の人手不足は、首都圏とかどこかに限ったことではない。全国的に逼迫していた。だから、単価を上げさせてもらうし、店数も間引いていく。

一方で、主幹業態は原点に回帰しながら、価値と価格のバランスを取りながら、うまくコントロールして強くしていく。和民の60店閉鎖もそうだが、当該店舗の店員は当然、残った和民に全員ではないにしろ移っていく。こういう強みは間引きの中で出ていくと思う。

――パート、アルバイトの一部を正社員化する取り組みを始めた。

6月中旬にエリア限定社員制度を導入した。従来からあった制度だが、副店長までしか認めていなかった。働き方が多様化する中で、地元で働きたいけれど、リーダーもやりたいという方もいるだろう。だから、エリア社員でも店長ができるようにした。これはアルバイトやフリーターさんに向けたメッセージであり、外部の方へのメッセージでもある。

募集を始めてから20日間で25名前後の応募が来ている。目論見としては、来年6月までの1年間で新規、既存採用を含め100人程度を採用できればいいと思っていた。

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