「話がつまらない人」が根本的に勘違いしている事 「面白いか」を決めるのは自分ではなく相手だ

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いわば僕はカメレオンです。相手に合わせてコロコロと話し方を変えます。

こう言うとなんだか“打算的で調子のいいヤツ”と思われるかもしれません。でもそれは誤解です。

例えば会社の上司と話すときと、部下と話すときとでは、ほとんどの人が話し方を変えるはずです。相手が社長でも新卒社員でもまったく同じだったら、違和感がありますよね。

それと同じように、目の前の「その人」に合わせて話し方をちょっと工夫するだけで、話は広がりやすく、弾みやすくなります。そして何より相手が気分よく話せて、気持ちのいい人間関係をつくることができます。

1人ひとりに合わせるなんて、難しそうに思いますか? そんなことはありません。

考えてみてください。物静かな人が急に陽気に振る舞ったり、芸人さんのような万人にウケる話を仕込んでおくのは、そうとうに難しいと思います。それに比べれば、相手をよく知ることのほうがはるかに簡単だし、人間関係を築くうえでもずっと大事です。

実は僕もすごいトーク術があるわけではありません。昔は会議で話を聞いてもらうのにも苦労しました。

だからこそ、どういう話し方をすれば、相手に喜んでもらえたり、驚いてもらえたり、共感してもらえたりするのかを考え続けてきたのです。そんな中で20年以上かけて磨いてきた「心をつかむ話し方」は、どんな人にも役立つものだと思っています。

人の心をつかむためには、「何を」話すかよりも、「どんなふうに」話すかよりも、「誰に」話すかを考えることが第一です。

苦手意識のある人ほど、「もっといい話をしないと」とか「頑張って面白くしないと」と思ってしまいがちです。でもそれは勘違いで、原因はあなたがつまらないからではありません。相手に合わせた話し方を考えれば、必ず心をつかめるようになります。

「自分が面白くなる」ことにこだわらない

心をつかむための具体的なコツを4つ紹介しましょう。

○相手を主語にする
×自分を主語にする

トーク番組のMCとして大人気の芸人さんは、タレントさんはもちろん、一般の人が相手でも場を盛り上げて、相手を楽しませます。

僕が研究してわかったのは、相手を主語にして話を振っていることです。「最近どうなの?」「早くも夏を先取りしてますね」など、会話のスタートは相手を主語にする。そしてしっかりとリアクションする。それだけで相手にとってあなたは「話していて楽しい人」になります。

○相手の3分の1だけ話す
×相手の3倍話す

話が面白い人ほどたくさん話している印象がありますが、実はそうでもありません。むしろ相手の話を引き出すことに長けています。そのためのコツは「一般論」で話を広げること。「よくこういうことありますよね」と普通の話を振るほうが、相手は話をしやすくなります。

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