「ゴッドタン」佐久間Pがテレ東辞めて目指すもの スタッフから信頼厚いヒットメーカーの仕事観
『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『考えすぎちゃん』など、テレビ東京でさまざまな人気バラエティー番組を産み育ててきた、プロデューサーの佐久間宣行さん。無名芸人の発掘に長け、2019年には現役テレビ局社員でありながら『オールナイトニッポン0』のレギュラーパーソナリティーに抜擢されたことでも話題を呼びました。
テレビ番組の制作からラジオパーソナリティー、イベントのプロデュースに至るまで、既存の枠を超えてマルチに活躍する佐久間さんは、まさに令和の「いいオトコ」と言えるのではないでしょうか。芸人やタレント、局からの信頼が厚く、世間での評価も高い佐久間さんのキャリアや人間関係は、どのようにして作られてきたのか?
フリーランスになった今だからこそ聞ける、佐久間さんの想いと仕事観に迫りました!
作り手をやってるのは“たまたま”という感覚
──佐久間さんにとって、テレビマンとはどんな仕事ですか?
僕はもともと漫画や映画、音楽などエンタメがすごく好きで、今でもいろいろなものを見ます。だから前提として、自分はソフトの受け手だという自覚があって、作り手をやってるのは“たまたま”という感覚なんです。
番組を作るときは自分が面白いと思うものを作るけれど、まず客の立場として「好きなものが増えたほうがうれしい」って気持ちでやっています。
好きな芸人やバンドに出演してもらうのは、好きな店を潰したくないから紹介するって感じに近いですね。だから、自分が儲かって好きな店が潰れるようなことは絶対したくない。それじゃあ、人生楽しくないじゃないですか。
──消費者としての目線があるから、佐久間さんのコンテンツは面白いんですね。著書『できないことはやりません〜テレ東的開き直り仕事術〜』(講談社)では、「仕事は楽しんでやる」と書かれていましたが、そう思えるようになったのはいつ頃ですか?
新入社員の頃、ドラマのADの仕事として小道具の“女子高生のお弁当”を作って行ったんです。それが監督の目にとまって現場の流れが変わり、お弁当がそのシーンのメインになって。
そのときに、「もしかしたらどんな仕事にもクリエーティブが宿ってるのかもしれない」って気がついたんですね。
そこから仕事が楽しくなってきて、どの仕事をやるときも自分なりの色を出そうと考えるようになりました。フロアディレクターをやるときは、できるだけ段取りが見やすいように同じカンペを2枚作って、上手・下手両方から出したほうがいいかな、と工夫したり。