「ゴッドタン」佐久間Pがテレ東辞めて目指すもの スタッフから信頼厚いヒットメーカーの仕事観

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(写真:トヨダリョウ)

──最後に、佐久間さんが今の時代に「いいオトコ」だと思うのはどんな人ですか?

この時代に、ブレないとか言っている人は信用できないですね。カリスマ性を高めるために言ってるんでしょ、って思っちゃいます。僕としては、「ちゃんと悩んでる人」がいちばん魅力的だなと感じます。自分のことも疑って、悩み続けている人のほうが信用できるし、カッコいい。

オードリーの若林くんなんか、まさにそうで。自分のことも疑って、世の中の価値観も信じすぎないで疑っている。

藤井隆さんも、すごく時代の心理をついている人だと感じます。初めはおかま風の笑われるキャラだったけど、いつからかこれで傷つく人がいるかもしれないとか、コンプラ的に難しくなった意味を考えて、一度お笑いから一線引いてドラマの仕事を増やした時期とかもあって。

藤井さんも誠実だから、いろんなことを考えながら活動されてます。本人はきっと大変だろうけど、僕はそういう人に惹かれるし、そういう人が作るものを見たいなって思います。

「笑いと傷つきどっちが多いのか」考え続けている

──考え続けることが大切なんですね。お笑いはいろいろな意味で、いちばん難しいジャンルではないでしょうか。

小説家の西加奈子さんが言っていたんですが、「傷つけない表現や、傷つけない笑いなんてない」んです。何かを笑うってことは、何かをバカにしていることでもあるから。だからこそ、傷つけないものなんてないってことに自覚的になれるかどうかが大切。考えるのをやめるのがいちばんダメですよね。

僕自身も毎週、「この表現は笑いと傷つきどっちが多いのかな」って考え続けています。社会的にも、そういう遊びを受け入れる度量がなくなってきているし、騙されているってことにもすごく敏感だからステマとかって批判も出る。だから「これはPRで、こういう気持ちで仕掛けてる」「製作側はこういう気持ちで作ってる」って今の時代はハッキリ言っちゃったほうがいいのかもしれないと考えたりもします。

例えば、映画監督って制作の裏側の話を当たり前のようにするじゃないですか。そして、それに対して誰も冷めたりしない。業界の常識だから誰も違和感を抱かないだけなんですよね。そういう常識についても改めて考えていきたいし、だから、今日のようなインタビューも包み隠さず話させてもらいました(笑)。

(文/井上真規子)

佐久間宣行(さくま・のぶゆき)
1975年、福島県生まれ。99年、テレビ東京入社。『ゴッドタン』『あちこちオードリー〜春日の店あいてますよ?〜』といった人気番組を手掛ける。在社中からニッポン放送『オールナイトニッポン0』のパーソナリティとしても活躍。2021年3月に退社しフリーランスとして活動中。
Twitter/@nobrock
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事