「ゴッドタン」佐久間Pがテレ東辞めて目指すもの スタッフから信頼厚いヒットメーカーの仕事観

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そういうことを少しずつやっていたら、タレントさんからの評判がよくなって、「佐久間はフロアがうまい」といろいろな大御所芸人からフロアの指名が増えていったんです。

自分の仕事に付加価値をつければ、自分の価値も上がるんだ、と知りました。段々と顔と名前を覚えてもらえるようになり、「あいつに好きなことやらせてあげようかな」っていう空気ができていった感じですね。

──そういったことが“佐久間カラー”のようなものになっていったのですね。

そうですね。それぞれの仕事で自分の色をちゃんと出そうとか、自分がこのチームに加わっている意味を1個でも持とう、という思いが積み重なって、そういうものになったのかもしれません。いまだに自分のチームに協力してくれるスタッフがいるのも、これまでの積み重ねがあってこそと思っています。

例えば『ゴッドタン』のカメラマンはみんなチーフクラスだし、ディレクターもほかの番組ではゴールデンの演出をやるようなメンバーばかり。若手に渡さずに自らやってくれているのは、番組が好きというのと、僕との仕事が楽しいと思ってくれているからだろうなって。それは一朝一夕では築けない関係。これまでの仕事は全部つながっていると感じます。

僕自身はずっと現場で働きたい

(写真:トヨダリョウ)

──3月末日にテレビ東京を退職されたばかりですが、今の時代の空気と佐久間さんがフリーになったことがすごく符合しているような感じがしました。

周囲の人にも、辞めることを伝えたら「ジャストタイミングじゃない?」と言われました。

自分ではそんなに意識していなかったんですけど、ディレクターとしてテレビ東京に対してある程度の実績を残してきて、同時に社外の人に仕事したいと思ってもらえるキャラクターもできあがってきた時期で。

会社を裏切る辞め方もしていないし、メディアの環境的なことも考えて、テレビ以外にもいろいろ製作できる時代になったという意味でも、ベストじゃないかって。

テレビ東京に居続けたら出世して役員を目指すべきなのだろうけど、僕自身はずっと現場で働きたいんです。それから、テレビ東京の社員の立場では受けられなかった仕事をやりたかったという部分もありますね。

──テレビ東京ではできない仕事とは、どんなことでしょう?

この4月はたまたまドラマをやらせてもらっていますが、今後はバラエティーもドラマも両方やっていきたいんです。テレビ局のセグメントの中ではそれが難しいので。

今まで温めていたけどなかなかできなかったバラエティーや映画の企画もやりたいし、世界各国で制作・放映できるフォーマットバラエティーも作っていくつもりです。

今、テレビ業界は大きな過渡期にありますが、いろいろな場所で仕事ができるようになって全体の風通しもよくなってきています。YouTubeや配信、地上波などさまざまなメディアを横断的につなげていくことも可能になっている。

だから「佐久間が知り合いだからやろう」とかってことがきっかけで、テレビ東京ではできないヒット作を作ったり、その人脈を局までつなぐことができたら、いちばんの恩返しになるかなと思っています。

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