山水電気、「オーディオ御三家」の墓標

資金繰りが続かなくなり、破産手続きを開始

高級オーディオ市場は今でも着実に存在し、しかも進化を続けている(撮影:今井康一)

7月上旬、往年のオーディオメーカー、山水電気(SANSUI)が破産手続きに入った。帝国データバンクのニュースリリースに詳細が報じられている。

今の若い人たちにとっては、まったくの昔話だと思うが、「SANSUI」には、高品質オーディオ機器としてのブランド力があった。

プリメインアンプのSANSUI

高度経済成長期のオーディオブームでは、チューナーのトリオ(その後のケンウッドブランド)、アンプの山水電気、スピーカーのパイオニアが、オーディオベンチャーの御三家として急成長。元は音質の良いトランスを得意としていたが、その後、アンプ製作で評価を得て1970年代には”プリメインアンプと言えば山水電気”というほどの人気を得た。年間売上高の最高は1984年10月期の525億5200万円もちろん東証一部上場企業だった。

オーディオ御三家は現在、そのいずれもがかつての勢いを急速に失った。しかし、トリオ(現在のJVCケンウッド)とパイオニアは、紆余曲折の中で、他の生きる道を見つけてきたと言っていいだろう。この2社が本当に厳しくなったのは、ここ数年のことである。そう考えると、他の事業への展開ができなかった山水電気の凋落は、御三家の中でも著しいものだった。

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