JVCケンウッド、終わらない「縮小均衡」 異業種から社長招聘するが河原CEOは留任
カーナビをはじめとするAV機器メーカーのJVCケンウッドは4月30日、2014年3月期決算発表と同時に、社外取締役を務めてきた辻孝夫氏が5月14日付で社長兼COO(最高執行責任者)に就任する人事を明らかにした。
また同日付で従来の事業部制を廃止して、米州、欧州、日本およびアジア・新興国の4地域に地域CEO(最高経営責任者)体制を発足させることを決めた。
辻氏は64歳。大手商社として知られる日商岩井(現・双日)東京本社入社。のちにシステムや電子機器などを担当する日商エレクトロニクスの社長を務め、昨年6月からはJVCケンウッドの社外取締役となっていた。異業種からの社長就任といえるだろう。
現社長は欧州地域社長に降格
また事業部制の廃止により、各事業部が企画・商品化した製品を海外販社や販売部門が売るという従来の体制を改め、地域CEOを中心に、それぞれの地域の市場特性や顧客ニーズに対応した商品やサービスを現地が業績責任を負う形で企画化する。
事業部門は地域CEOの企画・要請に基づく商品化を進めることになる。プロダクトアウト的な発想の払底がその狙いだ。なかでも最大市場である欧州の地域CEOには、現社長の江口祥一郎氏を充てテコ入れを図る。
こうした大規模な体制変更の背景にあるのが、「円安効果を除いた現地通貨ベースでみれば海外販売は前年比20%減」(河原春郎会長兼CEO)という、既存事業の大幅な落ち込みがある。
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