ユニコーン企業でも米中経済戦争
ユニコーン企業がアメリカと中国に集中する傾向が強まっている。ユニコーン企業が誕生し成長するには、人材と資金が必要だ、アメリカのシリコンバレーにはそのための環境(エコシステム)が自然形成され、それがIT革命を生み出した。
同じような仕組みが、共産党独裁下の中国で形成されたのは、驚きだ。そこで重要な役割を果たしたのはアメリカ留学からの帰国者だから、アメリカが中国フィンテックの産みの親だとも言える。
しかし、米中経済摩擦が、ユニコーン企業にも影を落とし始めている。
ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル(約1090億円)以上の非上場の企業。新しい技術を活用して、高い成長率を実現している。
これからの経済を見通すうえで、重要な意味を持っている。
アメリカの調査会社CBインサイツが発表した「世界ユニコーンランキング」(2021年3月)によると、世界には692社のユニコーン企業が存在する。
国別に見ると、1位:アメリカ(全体の50%)、2位:中国(同23%)、3位:イギリス(同5%)、4位:インド(同4%)となっており、アメリカと中国だけで全体の約73%を占めている。
2010年代前半には、世界のユニコーンのほとんどがアメリカとヨーロッパ諸国に集中していた。これを考えると、世界のユニコーン企業の分布図が大きく変化していることがわかる。
ここでも米中経済戦争が生じているわけだ。
ユニコーン企業については、他にもいくつかの調査があり、そのうちの1つ、胡潤研究院が公開した「2019胡潤グローバルユニコーン企業ランキング」によると、ユニコーン企業は世界に494社あり、国別では中国がアメリカを抜き、世界で最大のユニコーン大国になった。
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