日本人が知らない中国ユニコーン企業の強烈な力

共産党独裁体制で生まれたエコシステムの正体

ユニコーン企業が誕生するためには、優秀な人材と豊富な資金が必要だ。それらが有機的にうまく結びつく必要がある。

アメリカ・カリフォルニア州のシリコンバレーは、このための条件を満たしていた。

ここには、スタンフォード大学を核として、IT関連の高度専門家が集まっていた。そして、ベンチャーキャピタルが存在した。

これらがうまく結びつくことによって多数のスタートアップ企業が生まれ、IT革命を実現した。

こうした環境は、しばしば「スタートアップ・エコシステム」と呼ばれる。

日本でユニコーン企業が生まれにくいのは、このようなエコシステムが日本経済には形成されていないからだ。

ところが、中国では、それが形成された。中国でユニコーン企業が多い基本的な理由は、ここにある。

大学に優秀な人材、海外留学からの帰国組も活躍

まず、清華大学や北京大学をはじめとする大学に、優秀な人材が集積している。

さらに、「海亀族」と呼ばれる海外留学からの帰国者がいる。

2001年には1.2万人程度だったが、2010年には13.5万人、2016年には43万人にまで増加した。

彼らの活躍によって中国が発展し、待遇が向上するので、吸引力がさらに強まる。こうした好循環が起きている。

彼らの留学先の多くはアメリカの大学だ。その意味では、中国フィンテック企業の産みの親はアメリカだとも言える。

また、中国のスタートアップ企業には、豊富な資金が流れ込んでいる。アクセンチュアの調査によると、2018年のフィンテックベンチャー企業への投資額は、全世界で前年比2倍以上の553億ドル(約5.8兆円)に達した。そのうち、中国における投資額が前年比約9倍の255億ドル(約2.8兆円)となり、フィンテック投資総額のうち46%を中国が占めた。

なお、中国におけるフィンテック投資額の半分以上は、アント・フィナンシャルが5月に140億ドル(約1.5兆円)の資金を調達したことによる。

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