スタバ「1600店超」でも安定運営できる圧倒的強み 日本開業25年で行う「原点回帰」と「深化」
「開業時はインバウンド(訪日外国人)の方が多く、国内も地方からお越しの方が目立ちました。現在は、近くのオフィスに勤める方や近隣にお住まいの方のご利用が増えています。中には帰宅途中に『今日は空いていたから』と立ち寄る方もおられました」
こう話すのは、児島加奈子氏(スターバックス コーヒー ジャパン「TEAVANA BAR」ゾーンマネージャー)だ。群馬県内のストアマネージャー(店長)を経て、ロースタリー開業に際して異動した児島氏は、同施設2階を担当する。
「人気メニューは『スターバックス リザーブ エスプレッソ マティーニ』という、エスプレッソとシングルモルトウオッカを主体にしたカクテルです。お客さまの中には『スターバックスにバーがあったんだ』と話される方もいました。現在は日本のお客さまのご利用がほとんどで、若いカップルから年配の方まで幅広くご来店いただいています」
橋口慎司氏(3階の「ARRIVIAMO BAR」所属)はこう語る。東京都下のバーでプロのバーテンダーとして活躍した橋口氏は、ロースタリー開業時にスタッフとして加わった。
来店客には「テーマパーク」の存在だが…
2年前の喧騒こそないが、今もロースタリーの人気は高い。今年の桜の季節(緊急事態宣言の発令に伴い休業する前)は「入店まで2~3時間待ち」の日もあったという。
「ここでしか味わえないメニューも多く、お客さまは飲食とともに空間や体験を楽しまれていると感じます。開業当初は本当にインバウンドの方が多く、1日の営業を終える頃に『今日話したのは半分英語だったな……』と振り返るほどでした」
当時、店頭で接客支援をした鈴木麻子氏(サイレンリテイルプロダクトイノベーション部部長)は、こう振り返りつつ、ロースタリーの役割を「イノベーションハブ」(革新的な商品・サービスを生み出す基盤)と説明する。「高いスキルを持つバリスタがいて、エッジのきいた商品開発もしているから」だという。
来店客に向けては「特別な空間、のめり込むような体験」というコンセプトを掲げるが、国内1600店を超えたスタバで働く従業員(パートナー)は、今や約4万人もいる。ロースタリーは働きたい場所のひとつだ。開業時は社内公募で人材を募集した。
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