「アナ雪」チームが圧倒的な改善力を発揮できた訳 自己保身に走る人を救うリーダーの強い言葉

拡大
縮小
チームを成功に導く、リーダーの意識と言葉遣い(写真:StudioRomantic/PIXTA)
言葉の使い方を変えることで、自分が率いる潜水艦の評価を最低から最高に引き上げ、ベストセラー『7つの習慣』の著者、コヴィー博士から絶賛された伝説の艦長がこのほど、『LEADER’S LANGUAGE(リーダーズ・ランゲージ) 言葉遣いこそ最強の武器』を上梓した。
あらゆる組織のリーダーに役立つ、伝え方のパラダイム転換を促す本書から、チームのマインドを「改善」に向かわせる方法について、一部抜粋・編集してお届けする。

『アナ雪』制作チームが陥った苦境

映画『アナと雪の女王』の制作チームは苦境に陥っていた。初期バージョンの試写を実施したところ、無情にも否定的なフィードバックが返されたのだ。

『LEADER'S LANGUAGE 言葉遣いこそ最強の武器』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

初期バージョンは、勇敢なヒロインのアナが、意地悪く計算高い悪役のエルサと戦う物語となっていて、ふたりは姉妹でもなかった。

チームには、ダメな原因を突き止めて修正する時間もろくになかった。ディズニーはすでに、1年半後の公開を発表していた。締切や利害関係者のことを思えば、チームがその状況に絶望しても誰も責められない。

このようなとき、産業革命期に生まれた「証明」というプレーに駆られるチームは当然出てくるだろう。つまり、自分たちはその仕事と給与に見合う価値があると、まわりに知らしめようとするのだ。

証明モードに入ると、チームが下した決断の根拠を熱心に説明し、自分たちのとった行動を論理的に正当化しようとするだろう。つまり、過去を掘り下げることに時間を費やし、前に進むことを拒むのだ。だがいくらそうしたところで、駄作を傑作にする助けにはいっさいならない。

次ページうまくいっていないことでなく、正解に目を向けよう
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT