成果を出せない「コマドリ」組織の残念な思考 成功率の低い「トップダウンのゼロベース改革」
悪名高い密輸商人は、なぜ捕まらなかったのか?
トルコ民話の登場人物、ナスレッディン・ホジャは、ある1つの物語では、悪名高い密輸商人でした。かれは藁を詰め込んだ鞍袋を背負ったロバの隊列とともに定期的に国境を行き来しており、日に日に裕福になっていきました。
税関吏は、密輸品があると疑い探したのですが、どうしても見つかりませんでした。年月が過ぎ、引退した税関吏がホジャにカフェで偶然出会い、「お互いもう引退しているので、そろそろ何を密輸していたのか教えてもらえないか」と尋ねました。ナスレッディンの答えは、「ロバ」でした。
見えるはずなのに見えないもの。私たちの身の回りにはこのようなもので満ち溢れています。なぜ見えないのかといえば、それは「思い込み」「常識」「暗黙の前提」など、いわゆる「メンタルモデル」と呼ばれるものを私たちがもっているからです。
このメンタルモデルは、日常では効率的な意思決定を可能にする一方、新たな問題に直面した場合、税関吏のように「見えるはずなのに見えないもの」を作り出します。それによって問題の解決が困難になるのです。



















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