部下が育たない上司は5W1H質問がわかってない 「君はどう思う?」ではなく思考の質を上げよ

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問いかける力を高めるためには?(写真:Melpomene/PIXTA)

部下「お客様についての理解が浅かったからですかね…」

上司「お客様の理解をもっと深めるにはどうしたらいいと思う?」

部下「う~ん、もっと時間をかけて頑張るしかないですかね…」

上司「…………」

長年、研修講師をしていて、こうした「虚しいコーチング」の場面を多く見聞きしてきました。

もちろん、コーチングが必要ないということではありません。それどころか、今日のような自己完結で何かを作り上げることが困難な「変化が激しく予測不能な時代」には、周囲の知恵を引き出す“エンジン”となる「問いかける力」が重要なカギとなってきます。

さらにこのたびのコロナショックにより、「あうんの呼吸」や「空気(顔色)を読む」ことが難しいテレワークやリモート会議などが「ニューノーマル(新常態)」になれば、適切な言葉に落とし込む力(言語化力)、シンプルでパワフルな言葉で問いかける力(質問力)の必要性はますます高まってくるでしょう。

拙著『シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』でも詳しく解説していますが大事なことは、メンバーの状況(課題)や業務(会議など)の場面に応じた、パワフルな問い、言い換えれば、メンバーの思考を深めたり、議論の流れを変えたりできるような、適切な問い(=パワフル・クエスチョン)がいかに作れるかです。

こうした、現代の忙しいプレイングマネジャーに必須の「パワフル・クエスチョン」の素が、実は誰もが知っている「5W1H」に詰まっているのです。

優秀なマネジャーは「5W1H」を標準搭載

と言っても、メンバーの仕事1つひとつについて、「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうする?」という「5W1H」の要素を、ただ具体的に考えさせようという単純な話ではありません。

5W1Hをマネジメントで効果的に活用するためのポイントは、5W1Hの要素、1つひとつの意味(本質)をしっかり理解することです。その上で、部下の視点、意見、提案に対し、

・When(時間・過程軸):「時間的インパクト(変化)」を問う
・Where(空間・場所軸):事象の「全体像・重要箇所」を問う 
・Who(人物・関係軸):明確な「ターゲット」の視点を問う
・Why(目的・理由軸):より上位の「目的・未来の姿」を問う
・What(事象・内容軸):「だから何?・違いは何?」を問う
・How(手段・程度軸):「施策の判断基準・実行の難所」を問う

こうしたシンプル・パワフル・ポジティブな問いかけが、効率的・効果的なマネジメントのカギになるのです。

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