部下が育たない上司は5W1H質問がわかってない 「君はどう思う?」ではなく思考の質を上げよ

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先述の部下とのやりとりも、「どう思う?」でとどめるのでなく、たとえば、「When:このままいくとどうなる?」「Where:どこを変える?」「Who:この中の誰に伝える?」「Why:相手が本当に聞きたい上位の問いは?」「What:何ではなくてそれ?」「How:手でさわれそうなくらい具体的か?」など、さまざまな思考を促す問いかけができるはずです。

部下を育て、チームを導いていくための直接的なカギは、何と言っても、マネジャーの発する“問いかけ(言葉の投げかけ)”にあるのです。

「部下が答えにくい質問」を重ねていませんか?

とはいえ、現場でうまくいかない原因として挙げられるのが、以下の2点です。

①上司の問いが、「質問」ではなく、「尋問」や「詰問」になっている
②上司の問いが、答えにくい(考えにくい)「質問」になっている

これらに共通する、典型的な問いが「Why(なぜ? どうして?)」でしょう。

Whyはもちろん5W1Hの1要素として、問題の原因を追求し、解決を導くために不可欠な問いです。よく知られた話として、トヨタ自動車の現場では、独自の「5W1H」があります。Whyは、正しい使いどころを選び、適切に投げかけることによって、メンバーに物事の本質に気づかせたり、組織能力を向上させたりすることができる、“魔法の問い”になります。

しかし、ここで大切なことは、「正しい使いどころ」「正しい問いの順番」です。粒の大きい課題のまま、漠然として抽象的な問題のまま、原因究明しようと、いきなり「なぜ? どうして?」を問いかけても、聞かれているほうは、それを「詰問」ととらえずとも、何を答えれば(考えれば)よいのか窮してしまう、あるいは、精神論的で曖昧な答えに逃げざるを得なくなってしまうのです。

こうしたマネジメント・スタイルの積み重ねは、長期的にはメンバーの自主性や自律性を削いでしまい、上司の気に入るような、独創性のない“正解探し”にばかり走ってしまう言動を駆り立てることになります。

そこで、問題解決の場面では、“原因探し”の前に“場所探し”、つまり、「Why:“なぜ”悪いのか?」という“原因追求”の前に、「Where?:“どこ”が悪いのか?」という“場所探索”から入るというのがポイントです。

次ページ5W1Hで真に部下の思考を促す問いかけを
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