部下が育たない上司は5W1H質問がわかってない 「君はどう思う?」ではなく思考の質を上げよ

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たとえば、「なぜミスが起こったのか?」の原因をいきなり問う前に、「ミスの発生場所はどこか(どこで起こることが多いのか)、ミスが起こった作業プロセスの箇所はどこか?」を探して絞り込む。また、「どうして売り上げが未達なのか?」を漠然と考える前に、「売り上げのどこ(どの部分)が特に落ちているのか?」。

つまり問題の所在(患部)を、さまざまな切り口によって、できるだけ特定することを先に行う、というスタンスが大切です。

Whyは、そういう状態になった理由を探すことですが、前段のWhereで、「ミス」や「売り上げ」自体を分解して、できるだけ“患部”を絞り込むのです。「なぜなぜクエスチョン」でなく「どこ・なぜクエスト」で、部下の思考を深めて問題解決を促していきます。その他、いくつか例を図で示すと以下のようになります。

(出所)『シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』(すばる舎)

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

現代はまさにマネジャー苦難の時代     

このように、漠然とした問いを、5W1Hを使って、より答えやすい問い、考えやすい問いへと、マネジャーがうまく変換して投げかけてあげることが、より効率的・効果的なマネジメントのカギになるのです。

『シンプルに人を動かす 5W1Hマネジメント』(すばる舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

「あれもこれも教えなくちゃいけない。忙しいのに!」

「言われたらやるけど、自分から考えて行動してくれない」

「パワハラ扱いされそうで、厳しく言えない…」

こうしたマネジャーの悩みを私も普段からよく耳にしています。日本のマネジャーの大半は、自分の仕事も多く抱えるプレイングマネジャー。ただでさえ自分自身も忙しい状況の中、組織全体の仕事時間を減らしながら、業績を上げるという一見相反することにチャレンジする必要があります。

加えて、それを物理的に離れたリモート環境でやらざるを得ないという状況も今後ますます増えてくるでしょう。まさにマネジャー苦難の時代。いかに従来のマネジメントスタイルを脱却し、より効果的、効率的な育成マネジメントにシフトできるかが重要になってきています。

渡邉 光太郎 ランウィズ・パートナーズ代表

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わたなべ こうたろう / Koutaro Watanabe

東芝や大手シンクタンクを経て、MBA教育を手掛けるグロービスの企業研修部門の管理職として人材開発、組織変革のコンサルティング、講師活動などに携わる。現在はランウィズ・パートナーズの代表として、企業の事業戦略立案。・業務改革の伴走コンサルティング、講師、組織開発・組織文化改革のコンサルティングに従事するほか、フラワースタジオの経営なども行う。

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