野村もSBIも参入「デジタル有価証券」の新潮流 国内初が相次ぐSTOは証券界に大変化をもたらす
実験的な取り組みも含めて国内でも発行実績が増えつつあるSTOだが、課題は残っている。
日本国内には先行するシンガポールのようなSTの取引所がなく、購入後の売買が難しいからだ。現状、STの取扱計画を具体的に示している取引所は、SBIグループとSMBCグループが計画している「大阪デジタルエクスチェンジ」のみで、STの取引開始は早くても2025年になる見込みだ。
個人投資家は社債でSTOの案件が増えれば買いやすくなるが、しばらくはSTの取引市場が存在しないため、証券会社と相対で売買する状態が続くことになる。
STOが多様化する可能性
それでも、次世代の有価証券管理を担う仕組みとして、公募のSTOは今後も続きそうだ。目下、準大手証券の東海東京フィナンシャル・ホールディングスが個人投資家向けに公募のSTOを準備している。第1号案件は不動産を裏付けにした発行になる計画で、国内初の社債以外を対象とした公募のSTOだという。
対象だけではなく発行体の多様化も進む。2020年2月にはみずほフィナンシャルグループがヤマダ電機、
STに紐づける資産が多様化し、さまざまな業種の企業が発行を行えば、STOへの注目度がいっそう高まるだろう。いずれにしても、本当のメリットが広く投資家に認識されるためには、日本におけるSTの取引所開設が欠かせない。
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