SBIが三井住友と提携、次に組むのはどこか ネットの顧客接点拡大を狙い提携は加速必至

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4月28日に提携を発表したSBIホールディングスの北尾吉孝社長(記者撮影)

「近未来の金融地図を見通して、『お互いに大きな果実が得られるだろう』という極めて戦略的な資本業務提携ができた」ーー。SBIホールディングスの北尾吉孝社長は会見で満足気だった。

4月28日、3メガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループとネット証券では最大手でベンチャー投資も手がけるSBIホールディングスの資本業務提携が発表された。スマホ証券での連携を筆頭に、両者が強みを持つ「リアル」と「ネット」の融合を図る。かつては自前主義が当たり前とされてきた金融業界だが、とうとう大手同士が手を組んだ形だ。

提携の施策の中で注目すべき点は2つある。1つが、三井住友 によるSBIネオモバイル証券への出資だ。三井住友はネオモバイル証券の株式を20%取得する。ネオモバイル証券は2018年に設立され、2019年4月に株取引のサービスを開始した。顧客層は若年層や投資初心者をターゲットにしており、直近の口座数は約30万。三井住友としては、ネオモバイル証券との連携を通じて新規顧客の獲得につながる可能性がある。

対面営業の連携はSBIにメリット

もう1つの大きな施策は対面営業における連携だ。SMBC日興証券とSBIマネープラザが連携してサービス提供を検討する。SBIマネープラザは金融商品全般の相談に対応するリアル店舗を全国に展開(直営店舗19、共同店舗14)。こちらの提携はSBI側にメリットがあり、三井住友の対面営業力を実店舗で生かせる。また、保険や商社といった三井住友のコネクションも活用できるようになる。

その他にSBIのベンチャーキャピタルへの出資や、地銀連合構想に代表される地方創生推進の検討、証券システムの共通化の検討、さらなる資本関係の強化の検討など、さまざま提携拡大も視野に入れている。

当然、両者のビジネスには競合する部分も多い。それでも提携を決めた背景には、金融機関が置かれた経営環境の急変がある。

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