SBIが三井住友と提携、次に組むのはどこか ネットの顧客接点拡大を狙い提携は加速必至

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銀行は終わりの見えない低金利環境で収益が細っている。人口が減る中で、潜在的な顧客も減少していく。大幅な経済成長がない限り資金需要の増加は見込めない。さらに、異業種の金融分野への参入も相次いでおり、持続的な収益を生み出すビジネスモデルの確立が急務だ。

プラットフォーマーを目指すと強調している三井住友FGの太田社長(撮影:尾形文繁)

金融機関としての新たなビジネスモデル構築について、三井住友の太田純社長は「プラットフォーマーになる」と繰り返し述べてきた。銀行が持つ大量の顧客に対し、外部と提携しながらこれまで提供してきたよりも幅広いサービスを提供する方針だ。

そのプラットフォーマーの強みとして重要なのは、どれだけ幅広い顧客層を持っているかだ。三井住友銀行は現在2700万口座という大きな顧客基盤を持っており、これは「ほかのプレーヤーが入ってきてもそう簡単には作れない」(太田社長)とみている。

ネット証券は手数料競争が熾烈化

しかし、現在の顧客基盤はこれまでの対面営業で積み上げてきたものだ。今後もそれを維持し、さらに拡大していくためには、若年層へのアプローチは欠かせない。それだけに今回の提携は、500万以上の口座を持つSBI証券と連携することで、ネットを通じた顧客接点を強化する狙いもあるだろう。

一方、ネット証券側も大きな転換期を迎えている。大手5社(SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券)が手数料無料化競争を繰り広げているからだ。ネット証券の過当競争は、松井証券の松井道夫社長が「ネット証券のビジネスモデルは15年前から崩壊している」と漏らすほどだ。

競争が一段と熾烈になるきっかけは、2019年10月末の決算会見でSBIの北尾社長が、「3カ年計画で(ネット証券の)手数料をゼロにする」とブチ上げたことだった。これで他社も一部の手数料無料化に動き出さざるをえなくなった。手数料がすべて無くなれば、最大で5割減るネット証券もあるだけに、競争力に劣るところは赤字転落のおそれも出てきている。

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