リーグ名の九州アジアリーグの「アジア」にも明確な意図がある。
「九州という立地は、東京に行くのも東アジアに行くのもそれほど時間が変わらない。今でも人材交流を盛んにしています。外国人選手を受け入れるのは当たり前のことです。私は発展途上国など、子どもたちが野原をはだしで駆け回っている国に行って、野球を普及させたい。そういう国でチームを作って雇用を生んで、仕事も作りたい。日本でいうJABA(日本野球連盟 アマチュア野球の統括団体)のようなものを作れないかと考えています。
一方、今は本気でメジャーを志望する子どもがいる時代です。コーチの言うことではなくネットで得た情報でトレーニングしている子もいる。そういう時代ですから、うちがMLBと何らかの交流をすることもできると思っています。
四国アイランドリーグplusやルートインBCリーグにもMLBから提携のオファーがあって、悩んで末に辞退したとのことですが、うちはNPBとの付き合いはあるにせよ、条件さえ整えば提携してもいいと思っている。NPBを頂点にした独立リーグを運営することは想定していません」
九州・沖縄で8チーム体制が理想
九州アジアリーグは、1年目は火の国サラマンダーズと大分B-リングスの2球団でスタートした。
「理想は、2020年に沖縄で創設された琉球ブルーオーシャンズも含めて九州・沖縄で8チーム体制を組みたいと思っています。当面は熊本と大分の2球団ですが、琉球や四国アイランドリーグplusとの交流戦も行います。四国アイランドリーグplusの球団にはソフトバンク三軍と交流戦で福岡に来た際に、熊本、大分まで足を延ばしてもらうなど便宜を図ってもらいます。
並行して九州では新たに2球団が審査の段階にあります。来季以降はさらに充実したリーグにしていきたいですね。九州アジアリーグは、単独での採算を目指すリーグとして、九州の地域発展、野球界の発展に貢献します」
3月20日にはリブワーク藤崎台球場で、開幕戦が行われた。オープニングセレモニーには蒲島郁夫熊本県知事や、地元出身の歌手、水前寺清子さんなども登場したが、雨天で試合はできなかった。
会場でイベントの進行を取り仕切っていた、火の国サラマンダーズを運営するKPBProject株式会社の神田康範社長は次のように語った。
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