スクープ!東京女子医大で医師100人超が退職 一方的な経営陣の方針に抗議の意思表示か
東京女子医大の経営統括部が、教授ら管理職に対して配布した学外秘の資料を筆者は入手した。そこに記されたポイントを要約すると、次のようになる。
研究日の廃止によって、医師には2つの選択肢が与えられた。
まず、「週39時間」勤務を選ぶと、外勤をしていた1日分を東京女子医大で働き、現在と同じ額の本給が支給される。ただし、外勤で得ていた1カ月あたり32万~40万円分がなくなるので、そのまま減収になる計算だ(あくまでも概算。医師の経験や技量によって、外勤先からの収入はさまざま)。
一方、週1回の外勤を継続すると、これまでどおり1カ月あたり32万~40万円の収入は確保できる計算だが、毎週1日分は本給から引かれてしまう。
どちらを選んでも収入が大幅に減る
いずれにせよ、どちらを選んでも、現在より収入が大幅に減ることは間違いない。
研究日の廃止は、働き方改革に名を借りた、人件費のコスト削減が真の目的なのではないか?
医師たちの間に、疑念が深まった。アンフェアな経営側の姿勢に不信感を募らせた結果、東京女子医大を去るという決断は必然だった。
「うちの医局は大荒れになりました。学費や住宅ローンを払っている医局員は、外勤ができないと生活が立ち行かなくなりますから、すぐに退職を決めた者もいます。コロナ対応で疲弊している私たちに、なぜこのような仕打ちをするのか、理事会には怒りを覚えました」(ベテラン医師)
「経営側は、研究日の廃止について学内で説明会をしたといっていますが、私も含めて誰も知りませんでした。いきなり外勤の病院を辞めると迷惑がかかりますし、いちばん困るのは患者さんではないでしょうか。外勤を続けたら、ただでさえ安い基本給がカットされるなんて、絶対に納得がいきません」(30代医師)
東京女子医大・労働組合の顧問を務める、東京法律事務所の大竹寿幸弁護士は、法的な問題点を指摘する。
「東京女子医大の資料には、研究日の外勤を慣例として認めていたと記載されています。今回の規則改定では、研究日の外勤は所定労働時間に含まないとしたうえで、研究日だった1日分を東京女子医大で働くことを要求しています。
そうすると、医師の勤務労働時間が伸びるのに、東京女子医大が支払う賃金は同じ。つまり実質的な賃下げですので、医師にとって『不利益変更』にあたると考えられます」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら