「技術革新の追求を礼賛する人」に伝えたい真実 失敗例は多数!机上の空論より優先すべきこと

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それでもやはり、製造業は一国の健全な経済を維持するうえで、今でも重要だ。高賃金の仕事をこれほど多く生みだす部門は、ほかにないからだ。例えば、フェイスブックの2019年末の従業員数は4万3000人だったが、それに対して2019年度のトヨタの従業員数は約37万人。このように雇用の面から見ても、ものづくりは今でも重要なのだ。

それぞれの国における重要度は異なる

4大経済大国は、いまなお4大製造大国の地位を維持していて、この4か国で2018年における世界の製造業の総生産高に占めるシェアは60%だ。中国がトップで全体の約30%、アメリカが約17%、日本、ドイツと続く。

だが、それぞれの国の経済における製造業の相対的な重要度は、明らかに異なる。2018年のGDPにおける製造業の比率を比べると、中国では29%を超え、日本とドイツで約21%、アメリカでは約12%にすぎない。

製造業の国民1人当たり付加価値額(製造業の産出付加価値額を総人口で割った数値)にランクをつけてみると、2018年、約1万200ドルのドイツが4大国中トップで、次いで約7900ドルの日本、約6800ドルのアメリカと続き、中国はわずか2900ドルだ。

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