《プロに聞く!人事労務Q&A》遺族年金を受け取る方法を教えてください。
生計維持の認定は、死亡者と生計を同じくしていた者であって、将来にわたって厚生労働大臣が定める金額(年収850万円、所得655.5万円)以上の収入が認められないことです。
今回のご相談のように夫婦共働きで、夫が死亡し、働く妻が残されたとしても、妻の年収等が基準額未満であれば、死亡した夫に生計維持されていたといえますので、遺族に該当します。
●遺族年金の受取人(請求者)は誰になるのか確認しましょう。
遺族基礎年金の遺族は、妻と子のみですが、妻の場合は子と生計を同じくしていなければなりません。子のいない妻(子はいるが既に成人している場合等)には、遺族基礎年金が支給されないので、注意が必要です。
遺族基礎年金の受給順位は、(1)子のある妻、(2)子になります。妻は、生計を同じくする子が全員いなくなれば、遺族基礎年金の受給権を失います。
遺族厚生年金の遺族は、遺族基礎年金より範囲が広くなりますが、(1)子のある妻、子、妻、夫、(2)父母、(3)孫、(4)祖父母の順番で最先順位者が受給します。つまり、(1)グループに年金の受給権者がいれば、(2)、(3)、(4)には受給権は発生しません。
今回のご相談の場合は、子のある妻が、遺族基礎年金および遺族厚生年金の両方を受給することになります。
なお、妻が受け取る遺族厚生年金は、妻が失権事由(妻が死亡する、再婚する等)に該当しないかぎり、一生涯権利を有します。
●提出先は、最寄りの年金事務所等です。
次に請求手続ですが、遺族基礎年金と遺族厚生年金は、同じ用紙を使って一緒に請求します。受付窓口は、最寄りの年金事務所、街角の年金相談センターです。