ロイヤルホスト「双日と提携」で業績復活なるか ノウハウに魅力、航空関連ビジネス再建に本腰

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苦境を脱するウルトラCとして2月15日に発表したのが総合商社・双日との資本業務提携だ。第三者割当増資により双日から100億円、みずほ銀行や日本政策投資銀行などから60億円を調達。双日には新株予約権も発行し、最大78億円の追加調達を行う構えだ。

記者会見で双日の藤本昌義社長(右)とロイヤルHDの菊地唯夫会長(左)(記者撮影)

同日の会見でロイヤルHDの菊地唯夫会長は、「アライアンスの必要性については(2020年の)9月ごろから感じていた」と語った。出資額や期待されるシナジー、スピード感などを考慮して双日を選んだという。

一方、非資源事業の強化が経営課題の双日にとって、ロイヤルHDへの出資は願ってもない話だった。同社の藤本昌義社長は「(ロイヤルHDへの出資提案は)渡りに船という感じだった。(ロイヤルHDは)われわれがもっていない顧客基盤を持っており、千載一遇のチャンス」と顔をほころばせる。

なぜ双日を選んだのか

ロイヤルHDは、双日のネットワークを生かした物流・調達面での経営効率化や、海外展開などでシナジー効果をにらむ。だが、双日は売上高で総合商社第7位。東南アジアで小売事業を展開しているとはいえ、双日同様に有力な食品子会社を持つ三菱商事や伊藤忠商事、川上部門に強い丸紅などには大きく水をあけられている。提携相手が双日である必然性はみえてこない。

しかし、菊地会長は「仮に総合商社すべてを選べるとしても、双日さんを選んだ」と断言する。大きな理由が、双日の持つ航空機産業や空港運営での経験だ。

双日は、航空機の累計販売件数では900機以上と国内シェア第1位だ。「ボーイングの販売代理店としても60年以上の歴史を有しており、国内外でのエアラインとの関係も強固」(藤本社長)。オセアニアのパラオ国際空港の運営を手がけたり、グループ会社であるJALUXが空港内売店「BLUE SKY」を展開するなど、空港関連事業のノウハウも豊富だ。

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