澤田社長、「ファミドンキをぜひ実現したい」 ファミリーマートが次々と提携を広げる理由
6月に入り、グーグルやLINEなどIT企業との提携・協業を相次いで発表したコンビニエンスストア大手のファミリーマート。グーグルのクラウドサービスや、LINEの開発した人工知能(AI)プラットフォームを活用して、業務効率化や新型店舗の開発につなげようとしている。
さらに、持ち株会社であるユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)が、ディスカウントストア大手のドンキホーテホールディングスと業務提携に向けた検討を開始した。提携内容は半年内をメドに具体化する方針。この提携検討は組み合わせが異色なだけに、業界内にさまざまな臆測を呼んでいる。
ファミマは2016年9月のサークルKサンクスとの統合で、業界トップのセブン-イレブン・ジャパンに匹敵する規模を手に入れた。しかし、“質”の面ではまだ差が大きい。2017年2月末の平均日販(1日当たり1店売上高)はセブン66万円に対し、ファミマは52万円にとどまる。
一連の提携によって、ファミマはどのようにセブンとの差を埋めていくのか。就任から10カ月が経過した澤田貴司社長を直撃した。
AIで「未来のファミマ」を作る
――グーグル、LINEなどIT企業との業務提携を相次いで発表した。
今までのファミマは、店舗数の拡大を優先してきた。これまではそのための買収や提携だった。店舗数がなければ衰退していく。そのことを考えれば、正しい戦略だった。だが、それ以外のところには正直、手が及んでいなかった。
店舗数は適切に維持・拡大していくが、少し立ち止まって質も高めていく。商品、物流の見直し、社内の構造改革のほか、ITを活用した業務効率化の実現は優先順位が高い。LINEやグーグルの知恵を借りながら、共に成長する絵を描いていきたい。
――具体的にどのようなことをやっていくのか。
AIを使いながら、未来のファミリーマートを一緒に作っていきたい。今、人の手でやっている仕事を極力省力化し、空いた時間でフレンドリーな接客をしていく。
たとえば、加盟店の発注業務や検品作業、商品補充などは省力化できる。商品のPOP(店内掲示)もデジタル画面にして、お客様1人ひとりに合わせた商品提案や販促ができるようにしたい。
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