ファミマが年2億本「焼き鳥」販売を狙うワケ 看板商品を"承継"、販促手法も大幅見直し
「焼き鳥商品は競合他社もチャレンジしていて、需要は大きい。われわれも徹底的に力を入れていく」。ファミリーマートの澤田貴司社長はそう宣言した。
ファミマは6月27日から沖縄、鹿児島、宮崎を除く全国の店舗で焼き鳥の販売を始める。看板商品であるファミチキとともに、レジ横のカウンター商材として投入。同社が焼き鳥商品を販売するのは初めてのことだ。「ももタレ」「もも塩」「かわタレ」「かわ塩」の4種類を展開し、価格はいずれも税込み128円とした。
サークルKサンクスの看板商品を刷新
「焼き鳥は彼らが持っていたノウハウを活用して、さらにおいしいものを作った」。澤田社長が”彼ら”と呼ぶのはサークルKサンクスのことだ。
昨年9月、ファミリーマートはサークルKサンクスを傘下に持つユニーグループと経営統合を果たした。サークルKサンクスは2018年8月までに全店舗がファミマブランドに転換される予定だ。
商品は原則、ファミマのものに統一されている。ただ焼き鳥はサークルKサンクスにおいて年間1億本を売り上げるヒット商品だった。その看板商品を生かさない手はない。現時点でファミマに看板替えをしていない「サークルK」と「サンクス」の店舗では、ファミマに先駆けて6月6日から今回の焼き鳥を販売する。
商品の大きさや使用する部位は、かつてサークルKサンクスで販売していたものと変らないが、味付けに使うタレや塩を一新した。焼き鳥をメインに並べる什器も新たに各店舗に導入。以前は保温什器を使っていたが、今回からは常温什器に変更した。肉汁が飛ぶのを防ぎ、鶏肉本来の食感を引き出せるという。
2016年12月にはローソンが「でか焼き鳥」と銘打った商品を発売している。澤田社長は「ローソンさんを意識しているわけではない」と前置きしたうえで、「サークルKサンクスで売っていたのが1番のベースであり、加盟店や消費者の方から要望があった」と焼き鳥投入の理由を説明した。ファミマは焼き鳥の発売後1年間で2億本売り上げる目標を掲げる。
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