LINE出澤社長「AI革命はスマホ以上の威力だ」

10代を狙う企業が続々とLINEに集結

出澤剛(いでざわ・たけし)●1973年生まれ。1996年早稲田大学卒業後、朝日生命保険に入社。2001年にオン・ザ・エッヂ入社、2007年ライブドア社長に就任し経営再建を果たす。2015年4月より代表取締役社長CEO(撮影:大澤誠)
6月15日に都内で開催された「LINE CONFERENCE 2017」。コミュニケーションアプリの国内トップ企業・LINEにとって、1年に1回開催する最も重要な事業説明会だ。会場には報道陣や関係者など1000人近くが訪れ、LINEの次なる成長戦略に耳を傾けた。発表されたサービスの背景には、どのような意図が隠れているのか。特に注目を集めた点について、出澤剛社長を直撃した。


――カンファレンスで最も目を引いたのが、クラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」と、クローバを搭載するスピーカー端末「WAVE(ウェーブ)」だった。呼びかけるだけでおすすめの音楽をかけてくれる、周辺の天気の情報を教えてくれるなどの機能が披露された。

発表の場で舛田(淳取締役)が「わが子を世に出すような気持ち」と言っていたが、実際に人間とのやり取りから学習し、どんどん賢く育っていくので、本当に生き物に接している感覚を持っている。

シリコンバレーの会社が強いとは限らない

――AIスピーカーにはアマゾン、グーグル、アップルが続々と参入しているが、各社のコンセプトを見るかぎり、まだはっきりとした違いがない。クローバはどんな特徴を打ち出していくのか。

LINEアプリでのコミュニケーションを音声化して使える、というのをキラーコンテンツにできると思っている。他社のAIスピーカーを見ていると、継続的に使ってもらうことにはまだ課題があるようだ。つまり、興味本位で買ってはみるが、毎週、毎日使う必然性がない。

Clovaについて説明する舛田氏。「わが子を世に出すような気持ち」と語った(撮影:大澤誠)

スマホの歴史を振り返っても似たようなもので、爆発的な普及はキラーコンテンツとなるアプリが出た後だった。それがゲームアプリであり、コミュニケーションアプリだ。AIスピーカーの普及にもそういう存在が求められているし、コミュニケーションアプリがその役割を果たす可能性は大いにある。

また、日本人に合わせた使い勝手を追求していくことにも強みがあるだろう。単に日本語の音声認識能力を磨くだけではなく、使えるサービス、使えるデバイスの両方を広げていく必要があり、その点クローバは、トヨタ自動車、ソニーモバイルコミュニケーションズ、タカラトミーをはじめ、これまでの日本でのビジネスの蓄積を生かして、提携の話を進められている。こうした点は、一概にシリコンバレーの会社が強いとは限らない。

とはいえ、やはり音声認識は肝になる部分。投入のタイミングを逸して別の会社にシェアを取られてしまえば、そこにどんどんデータが溜まり、差を付けられる。ローカルの企業の強みが生かせる今の時期にしっかり参入して、実際の音声に触れさせることが重要だ。

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