LINE出澤社長「AI革命はスマホ以上の威力だ」 10代を狙う企業が続々とLINEに集結

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――アマゾンやグーグルのファンにはガジェット好きの人が多そうだが、LINEにそうしたイメージはない。初期段階の販売、普及でもたつく懸念はないか。

うーん……。そこは非常にいい指摘で、実際に社内で練っているところ。先行販売の時期にはアーリーアダプターといわれる先鋭的な層に向けた施策も考えているが、やはりLINEアプリの普及の過程に似てくる気はしている。つまり、主婦層の方など、普段あまりPCを使わない層に広がっていく形になるのではないか。そのためにも、初回限定版(音楽再生機能のみを搭載)の価格は1万円と、ライバルのものより安い水準にした。

AIスピーカーで先行するのは米アマゾン。LINEは明確な違いをユーザーにアピールできるか(撮影:大澤誠)

ただ、端末を売ることがわれわれのやりたいビジネスではない。クラウドAIプラットフォームを育て、提携企業のIoTデバイスに頭脳として入っていくこと。この部分が非常に重要だと思っている。

――収益化についてはどのように構想しているか?

まずは普及させることが先決。大事なのは、われわれが主戦場とする韓国や日本でナンバーワンになること。AIがもたらす社会変革はスマホがもたらしたものより大きくなり、マーケットも大きくなるのは間違いない。いろいろなビジネスの可能性が見えてくるはずだ。

10代の取り込みについては、確実に役に立てる

――LINEが力を入れている、ほかのアジア諸国での投入の可能性は?

今はまず、日本と韓国に集中していく。ただ、やるからにはグローバルで考えており、LINEが(コミュニケーションアプリで)高いシェアを誇る国々に出ていきたい。

――EC関連の新事業「LINE SHOPPING」も発表された。アパレルをはじめ多数のブランドの商品を検索・比較することができる一方、購入のためのカートや決済機能はLINE側に設けず、各ブランドの購入サイトに送客する仕組みとなっている。このサービスでは「入り口に徹する」とのことだが、どのような経緯でこうなったのか?

最近、これまで巨大モールやファッション専門ECサイトに出店してきた企業が自社サイトに回帰する流れがある。自前のサイトを運営したほうがブランドの世界観を表現できるし、顧客データを蓄積・分析できるためだ。クラウド化が進み、インフラのコストが下がったことも後押ししている。

LINEショッピングには100以上と多くのブランドが参画する(撮影:大澤誠)

そういう時流を考えると、われわれが全部やるより、各社のサイトに誘導するほうが多くのブランドから共感を得られるだろう。若年層の取り込みに課題を感じている会社は多く、特に10代を取り込むための効率的な手段を見いだせていない。その点で、われわれは確実に役に立てる。

半年前から取り組んできた試験運用では、ユーザーにもかなりアクティブに使ってもらえており、非常に手ごたえを感じた。ユーザーにとっては、LINE経由で簡単に買い物ができ(スタンプ購入などに使える)LINEポイントをためられる点にメリットを感じてもらえたのだろう。

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