デキる人ほど「何も考えない時間」を大事にする 「思考の酸欠」を防ぐ脳科学的に正しい働き方
ホワイトスペース・アット・ワーク社のCEO、ジュリエット・フントは、空白(ホワイトスペース)時間を「忙しさの合間の考える時間、戦略的に立ち止まる時間」だと説く。ジュリエットが僕のポッドキャストで語ったところによると、空白時間は「ほかのすべてを発火させるための酸素」なのだという。
グリーンバーグ博士もジュリエットも、現代人はもっと頭を空っぽにする時間を持つべきだと主張する。そうすることがメンタルにいい効果をもたらすのは明らかだ。
一方であまり知られていないのは、忙しさからくる注意散漫の、集中力や生産性への大きな影響だろう。神経科学のいくつかの興味深い研究がそのことをあぶり出し、「注意散漫は実際に脳を変化させる」と証明している。研究の1つを主導したユニバーシティ・カレッジ・オブ・ロンドンは、メディアのマルチタスク(テレビを見ながらスマホも見るなど)を頻繁にする脳とあまりしない脳を比較し、前者のほうが、集中力に関わる前帯状皮質(ACC)が小さいことを発見した。
ドイツのマックス・プランク研究所は、注意力を高める練習をした被験者のACCの厚みが増したことを突き止めている。
さらに注意散漫は、時間の浪費にもつながる。カリフォルニア大学アーバイン校の研究は、注意散漫になると1日の能率が下がることを示している。「頭を切り替える必要がありますから。没入するのにしばらくかかるし、どこまでやったかを思い出すのにも時間を取られます」と筆頭執筆者のグロリア・マークは言う。「中断された作業の約82%はその日のうちに再開されるとわかりました。ところが困ったことに、頭が中断前の状態に戻るまで、平均で23分15秒かかるのです」。つまり集中が途切れると、そのたびに20分以上を浪費するわけだ。
あなたは毎日、何度集中をそがれているだろう?
せわしない頭を鎮める3つの方法
デジタル環境に囲まれ、多忙な日々を送る現代人が、それらからストレスを受けたり、注意散漫になったりすることを避けるためには、意図して頭を鎮める必要がある。その方法にはどんなものがあるだろうか。
瞑想、ヨガ、ある種の武術などは、せわしない頭を鎮めるのにすばらしい効果を上げる。
とはいえ、昼間に数分以上仕事を抜けるのが難しい場合はあるだろう。
そんなときにもできることはある。試してほしいのは次の3つだ。
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